田代は、鈴木雅之らと結成したシャネルズ(ラッツ&スターに改名)のメンバーとしてデビューし、その後、バラエティ番組にコメディアンとして登場するようになる。特に、志村けんに気に入られ、『バカ殿』シリーズ(フジテレビ系)などに出演していた。小道具を使ったダジャレの帝王としても知られた。
しかし2000年に、都内の私鉄駅で女性のスカートの中を盗撮しようとして書類送検される。この時は「ミニにタコ」というお得意のダジャレで切り抜けようとしたが、バッシングを浴びてしまう。芸能活動に復帰するも、風呂場をのぞいたとして2001年に逮捕され、その後の捜査で自宅から覚せい剤が見つかる。そこから4度の逮捕と2度の懲役を経験している。
そもそも、田代が薬物に手を染めてしまったのには、どういった理由があるのか。
「田代といえば、“マーシー”の愛称で知られ、サングラスがトレードマークでした。これはミュージシャンとして格好付けていたわけではなく、実は極度のあがり症で目が泳ぐために、サングラスでごまかしていたようですね。数々の番組に出演していましたが、常に緊張で手が震えるほどだったそうです。また彼自身が、酒が一滴も飲めない体質であるため、飲んで騒ぐといった部分でストレスを発散できなかったことも、薬物に手を染めてしまった原因だと言えるでしょう。さらに有名人であったため、シャバに放たれるたびに売人が近寄ってきたそうです。まさに苦悩の連続なのです」(芸能関係者)
もちろん薬物に手を出すことは絶対にあってはならないが、彼なりに切実な事情もあったのかもしれない。それゆえに、その痛みや苦しみをテレビなどで広く周知していくことは、それなりの意味を持ちそうだ。