田代容疑者は今年に入り、『バリバラ』(NHK)に出演し、覚せい剤の恐ろしさを2週にわたって語っていた。また昨年、スピードワゴンがMCを務めるインターネット番組『スピードワゴンの月曜The NIGHT』(AbemaTV)にも出演した(今年10月再放送)。田代容疑者は近年は、薬物依存治療のサポートとケアを行う民間のリハビリ施設である「ダルク」のスタッフとして活動しており、講演活動も行っていたので、テレビ出演はこの一つであった。元タレントという知名度がある分、その発言には注目が集まりやすい。
ネット番組では、1度目の逮捕時に、「テレビ局などに支払った賠償金は約8000万円」と明かしていた。莫大な金額は事務所と折半したという。それでも4000万円であるから多額である。今、目の前に薬物を出されたらどうするかとの問いかけにも、「大丈夫と言える自信はない」「今日1日を(クスリを我慢することで)頑張って続けて行く」と現在の心境を語っていた。
そもそも、田代容疑者はなぜ薬物に手を出してしまったのか。2004年の2度目の逮捕時には、裁判において薬物に手を出した動機として、「芸能活動にかなりのプレッシャーを感じていた」と語っている。田代容疑者は極度のあがり症で、トレードマークのサングラスは人の目を見られないためである。裁判官から「タレントに向いていないのでは?」と問われると、「そう思います」と認めていた。
それでも元有名人であるだけに、メディアは田代容疑者に注目せざるを得ない。2016年2月に元プロ野球選手の清原和博氏が覚せい剤取締法違反で逮捕されると、田代容疑者はテレビ番組にコメント出演し、「辛かったと思う」と同じ元著名人の立場から清原氏をおもんぱかった。清原氏の判決後にも、「まったく違う世界に行かないとなかなかやめづらい」「今でも健康診断で、血液検査で針が入ると、脳が『これが覚せい剤だったらな』と反応してしまう」と薬物の誘惑の強さをコメントしていた。
田代容疑者は元コメディアンとしてのサービス精神もあってか、薬物に関するネタをジョークを交えて話していたが、実際に逮捕されてしまっては笑い話でも済まされないのは確かだろう。