田代容疑者は10月22日に、神奈川県藤沢市の薬剤師会が催した講演会に出席。「孤立による薬物依存」をテーマに講演を行っていた。この講演では、社会から薬物依存者を排除するのではなく、病気からの回復を支援する社会を構築する必要性を訴えていた。また、講演の随所にユーモアを交え、刑務所を出て最初にごちそうになったのが「『しゃぶしゃぶ』だった」などと話し、会場の笑いを誘っていた。
この報道を受けて、ツイッターでは田代を批判するコメントが相次いでいる。「先月薬物依存に関する講演してるのになにやってんの...」「(講演の)この時点では既にクスリをやっていたんだな」「さすが田代まさし。講演の金は薬へと消えてたんだ。もう一生治らないんだろうな」など田代への辛辣なコメントが見られる。
田代容疑者は、これまで3度にわたり覚せい剤使用で逮捕され、2度収監されている。2度目の出所後、薬物依存からの回復をサポートする「日本ダルク」代表の近藤恒夫氏に誘われ、薬物依存者厚生施設・日本ダルクに入っていた。近年は職員として勤務しながら、薬物の危険性を伝えるために全国各地で講演などを行っていた。
田代容疑者は2019年8月23日に宮城・塩竈市の宿泊施設で、覚醒剤を所持していた容疑でも今回あわせて逮捕されており、10月の藤沢市での講演時には薬物依存から抜け出せていなかったことになる。
日本ダルクの関係者や田代容疑者を支援していた関係者だけでなく、講演会を開いた団体や、真面目に講演を聞いていた参加者など、田代容疑者の軽率な行動によって与えた影響は計り知れない。