2003年と2005年は、阪神がリーグ優勝を果たした年。そして2010年は優勝こそならなかったものの、チーム打率「.290」と打線が猛威を振るった年。どの年も甲乙つけがたいが、いずれも阪神が強かった年だ。
ところで、先述した3つの年には、とある共通点があることをご存知だろうか。それは、他球団でのプレー経験がある外国人野手助っ人が、一塁手としてスタメンに名を連ねているということである。
1985年以来となるリーグ優勝を果たした2003年で該当するのは、元オリックスのジョージ・アリアス。前年から阪神に加わっていた大砲は「打率.265・38本塁打・107打点」をマークし、一塁手としてゴールデングラブ、ベストナインも獲得した。
2年ぶりの王者となった2005年は、アリアスと入れ替わるように広島からアンディ・シーツが入団。この年「打率.289・19本塁打・85打点」と出色の働きを見せ、一塁手でゴールデングラブにも輝いた。
前述のチーム打率を記録した2010年に、打線を牽引していたのが元埼玉西武のクレイグ・ブラゼル。「打率.296・47本塁打・117打点」を記録し、一塁手部門でベストナインに選出された彼の存在がなければ、チームがここまでの高打率を記録することはなかっただろう。
“法則”とまでは呼べないかもしれないが、前述したように強い年にはいずれも当てはまっているこの共通点。自前の助っ人野手がイマイチという近年の状況を考えると、他球団から人材を募る方向にシフトした方がいいようにも思える。
今オフの自由契約選手の中には、ブランドン・レアード(元日本ハム)、ブラッド・エルドレッド(元広島)といった“適任”となり得る選手も含まれている。最下位脱出の、そして“猛虎復活”の起爆剤として、彼らの獲得を検討してみるのもいいのではないだろうか。
文 / 柴田雅人