子供の頃見ていたテレビアニメ「天才バカボン」の主題歌である。当時、幼かった筆者はこの歌詞を何の疑いもなく受け入れていた。そして、小学生になり事実を知ると混乱をきたし、逐一頭の中で「天才バカボン」の主題歌を再生して、歌詞とは逆であることを確認しなければいけなかった。
いっそ金星人だったらよかったのに。
何故なら金星ではこの歌詞の通り、太陽は西から昇り東へ沈むからだ。金星は、太陽系の惑星で唯一逆周りに自転しているのだが、その理由はわかっていない。おそらく大きな星と衝突したためだと考えられている。そして、その動きは非常にゆっくりしていて243地球日であり、225地球日の公転周期よりも長い。
しかし金星人になるためには、地表の平均気温400度に耐えなければいけない。これは、太陽からの距離は2倍、太陽光の照射は75%の水星よりも熱い。この灼熱地獄は、硫酸でできた何kmもの厚さの雲が、金星の大気のほとんどを占める二酸化炭素を封じ込めることによって、途方も無い温室効果を及ぼしているために起こる。この暑さは夜の面でも冷やされることは無い。大気の上層部では秒速100mという自転の40倍の速度で風が吹いていて、熱を昼の面、夜の面区別無く、金星全体へ分散させているからだ。上層部ではそれほどの風が吹いていても、地上では時速2〜3kmにしか達しない。自転軸もわずかに2度ほど傾いているだけなので、地球のような季節変化は無いと推測される。また金星の自転と、地球との接近周期はシンクロしていて、地球からはいつも同じ側しか見ることができない。これは、潮汐力の共振によるものか、ただの偶然かはわかっていない。
やはり、そんな苛酷な環境に身をおくより、朝日は東に望む生活を続けることにしよう…。
浪花のホラー職人〜七海かりん(山口敏太郎事務所)
山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
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