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東京立ち食いそば紀行・第2回「神楽坂そば」

 不景気のせいか、最近二毛作経営の飲食店が増えてきている。ランチタイムは定食類、夜になったら居酒屋というパターンが多いのだが、ここ「神楽坂そば」は昼は立ち食いそば、夜はワインバーという、ちょっと変わった二毛作になっている。

 お店は開店から44年続く老舗。かつては朝6時の開店から行列ができるほどの繁盛ぶりだったが、時が経つにつれ売上は徐々に右肩下がりに。それならと11年前、客足が落ちる夜間にワインバーを始めたのだという。
 そばとワインとは、ずいぶんかけ離れたジャンルの二毛作だが、お店的にもまったく別物。夜ともなればのれんはしまわれ、おしゃれな看板が出現。店内もそばメニューのかけられていた壁にワインボトルがズラリと並べられ、昼間の面影はどこへやら、すっかりシックなワインバーに変身してしまうのだ。昼も夜も同じジャンルのメニューを出す二毛作が多い中、ここまで割り切った二刀流の形態は珍しい。おかげで昼と夜では客層がまったく違うのだが、それが逆によかったのか経営は順調で、神楽坂に支店も出しているとか。この思い切った戦略、おみごとです!

 さて肝心のおそばですが、お母さんの人柄が出るのか、なんとも上品で優しい味わい。おツユは少し甘みが強めのサッパリ系で、麺はやや柔らかめ。自家製の天ぷらは衣が薄めで、最後まで野菜のシャキシャキ感が味わえる。夏バテで疲れ気味の体には、なんともホッとできるいいあんばいです。
 そんな優しい味わいに惹かれるのか、最近は女性客が増えているとか。時代が変わるにつれ店も変わっていく。たくましく生き残っていく神楽坂そばに、見習うべきものは多い。
 
(本橋隆司)

「神楽坂そば」
最寄り駅:JR・東京メトロ飯田橋駅
東京都新宿区神楽坂1-14
営業時間:月〜金 6:00〜18:00/土 6:00〜15:00
定休日:日曜・祝日
やさい天そば:370円

ワインバー
「LE TRAIN BLEU」

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