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巨人・原監督が「人事権完全掌握」期待の大型助っ人・ビヤヌエバも容赦なく二軍落ちか

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原辰徳

 原辰徳監督(60)の決断がチームの引き締めにつながればいいのだが…。

 3月29日のプロ野球ペナントレース開幕戦を前に、200万ドルの助っ人、クリスチャン・ビヤヌエバ(27)を二軍に降格させるとの情報が飛び交っている。

 ビヤヌエバは本塁打、打点、出場試合数などに応じた出来高契約も交わしており、活躍すれば総額300万ドルをゲットすることになるという。約3億3600万円。過去、プロ野球界において、破格の年俸で迎え入れた外国人選手はオープン戦で打てなくても一軍でスタートさせるもの。しかし、原監督はそれを許さないというのだ。

 「米パドレスでは4番も務め、期待されていました。米メディアのなかには『ビヤヌエバを引き止めないパドレスはどうかしている』との論調もあったくらい。まあ、変化球の多い日本の野球スタイルにまだ慣れていないようですね」(プロ野球解説者)

 オープン戦の成績だが、1割6分7厘。ヒット6本、打点2ではたしかに物足りない(3月20日時点)。

 一軍の試合に出場させ、日本の投手に適応させていく起用法もある。ビヤヌエバの二軍降格がこのまま決まったとすれば、原監督がいつになく、厳しい態度で開幕を迎えることになる。その理由は久しく優勝から遠ざかっているせいだけではないようだ。

 「原監督は3度目の指揮官就任を引き受ける条件として、選手に関する人事権の完全掌握を訴えました。前政権でゼネラルマネージャー(GM)と衝突することもあったので」(スポーツ紙記者)

 前GMの鹿取義隆氏は原監督の帰還と同時に退いた。現在、巨人のGM職は空席だ。ということは、巨人は原監督からの人事権掌握のお願いを聞き入れたわけだ。

 18―19年オフの巨人の大型補強だが、丸、炭谷、中島、岩隈らの獲得は原監督の要望だったという。厳密にいえば、丸のFA交渉に関しては前任の高橋由伸氏の時代から調査を進め、最終的に原監督もゴーサインを出したそうだ。しかし、ビヤヌエバに関しては少し事情が異なる。

 先のプロ野球解説者によれば、原監督は外国人選手の獲得に“慎重”だったという。

 「渉外担当者がどんな綿密に調査をしても、日本球界に適応できない選手が出ます。外国人選手についている代理人の売り込みをそのまま信じ、痛い目に遭った球団も少なくありません。原監督も過去、何度も期待外れに終わった外国人選手を見てきました」

 過去、日本に来た外国人選手の中にはレギュラーを保証させた者もいた。ビヤヌエバに関しては「二軍落ち」の情報も出回っているので、そこまで厚かましい契約にはなっていないはず。

 「原監督は300万ドルの助っ人も容赦なく二軍落ちさせ、フロントに人事権掌握を再アピールするつもりなんでしょう。シーズンに入ってからも、トレード、緊急で外国人選手を獲得しなければならない場面も出てくるでしょう。そのとき、自分の知らないところで話が進むのがイヤなんです」(前出・同)

 優勝すれば、実力主義の徹底、原イズムが勝因として挙げられるはず。しかし、結果が伴わなかった場合、全ては原監督の責任となる。開幕の相手は覇者・広島だ。敵地・マツダスタジアムで黒星スタートとなった場合は、ちょっと心配である。

(スポーツライター・飯山満)

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