この番組では現在、若手お笑いコンビ・トラッシュスターの中山真希が、司会の東野幸治が食べて感激したという「激ウマすっぽんスープカレー」を徒歩だけで探し求める旅企画を放送している。このロケの最中にスタッフのカメラにトラブルが発生した。
なんと、ロケの一番大切なシーンとも言える、すっぽんスープカレーを入手するパートのデータがすべて消失したというのだ。カレーを入手するまでの努力が全て無に帰したのだ。スタッフもデータの復旧を試みたが不可能だったという。
結果、番組は中山の代役を立てて「すっぽんスープカレー」を入手したくだりを完全再現することになったのだが、番組スタッフの不手際でシーンがまるごと放送されないというトラブルは業界でもかなり珍しいよう。スタジオの東野幸治、今田耕司、雨上がり決死隊、フットボールアワーたちも驚きを隠せなかった。
さて、OA前にデータ(フィルム)が消失する緊急事態は珍しいとはいえ類例はゼロではない。
2012年にTBS系で放送された香取慎吾&山下智久のW主演ドラマ『MONSTERS』第1話の収録テープのうち、一部が紛失していたことが判明したのだ。
当時の報道によると、テープの紛失は第1話の編集作業の段階になって判明し局内は大パニックに陥ったという。しかも紛失したのは替えの効かないマスターテープ。テープが発見されない限りは編集することができない。結果、どこを探してもテープが出てこなかったことから、スタッフたちは香取ら出演者に事情を説明し、撮り直しの承諾を得てなんとか放送することができたという。
通常、これらの不祥事は局の信用に関わることから内密にするのが常。ただ、紛失したシーンはエキストラなどを入れた大掛かりなシーンだったという話もあり、いつかは判明すると踏んでTBSみずからミスを公表する形になったという。
放送局も運営しているのは人間。時にはこういう事故もあるということだ。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)