ドラマ全体の視聴率が下がっているとはいえ、5%台はかなり厳しい数字。まだ放送されていない二宮和也主演の『ブラックペアン』、松岡昌宏主演の『家政夫のミタゾノ2』を除くと初回視聴率としては今クール最低となった。
アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』が原作。『巌窟王』というタイトル版で翻訳版も出ている。現代の日本を舞台に、冤罪で異国に投獄された青年が自分を陥れた人物たちに復讐をしていくというストーリーだ。
原作が名作ということもあり、ストーリーの面白さそのものは保証済み。誰がどんな意図でディーン演じる主人公を陥れたのか、初回放送では軽く触れたものの「前振りが長い」という評判もあった。視聴率が振るわなかった原因のひとつは演出部分にあるのではという見方もある。
「物語の序盤で、ディーン演じる青年が山本美月演じる恋人にプロポーズする場面が放送されました。堤防で熟睡していたディーンを起こそうとした山本が、そばにある釣り竿に気づきます。釣り竿を手にすると、針の先に指輪が結ばれていました。喜ぶ山本に狸寝入りから目覚めたディーンがプロポーズし、山本が受け入れると周辺に潜んでいた友人らがフラッシュモブでお祝い――という、いかにも現代風のプロポーズです」(ドラマライター)
しかし、視聴者はプロポーズ、フラッシュモブについて「恥ずかしくて見てられない」「あの激ダサフラッシュモブの恥ずかしさに耐えられる自信がない」「カラオケ映像みたい。寒すぎる」とネットで指摘。演出を批判する声が殺到した。
調査によると女性の35%以上はサプライズのプロポーズについて「して欲しくない」という意見を持っており(アニヴェルセル株式会社調べ/2017年4月)、27%の女性はフラッシュモブのプロポーズについて「許容できない」と回答している(株式会社アムタス調べ/2018年1月)。
女性を喜ばせるために男性はサプライズ・プロポーズを計画するのだろうが、はたから見れば憧れるどころか「寒い」という印象が強い。人によっては「サプライズ」の当事者になることすら拒否する女性が多いようだ。
次回以降の視聴率も注目される『モンテ・クリスト伯』。序盤の“寒すぎる”フラッシュモブで脱落してしまった視聴者は案外多いのかもしれない――。