しかし、新幹線ならでは、のスローな旅というのもあるのかもしれない。どうせならさっさと目的地に着く前に思い切って途中下車駅の観光予定を入れてみてしまってはどうか。今回はその東海道新幹線編−−。
豊橋駅から浜松方面の在来線に乗り換えて2つ目の新所原駅。ほぼ同じ場所にある天竜浜名湖線の新所原駅は、切符売り場が『やまよし』といううなぎ屋さんになっている。関西風に蒸さずにバリバリと焼き上げたうなぎ弁当はまさに絶品! また豊橋駅に戻る頃にはもう冷めてしまうので、思い切ってその場でほうばるのも一興だ。子供さんも大いに喜ぶ立ち寄り観光スポットに違いない。
米原駅で下車して、名古屋方面の在来線で一駅目が、醒ヶ井。旧中仙道を地蔵川沿いに5分ほど歩くと、名水スポット『居醒の清水』に到着。「コーヒーをいれるとうまいんだよ」と地元の人が声をかけてくれる。正直、感想は微妙だったが、基本的に水が飲める場所は幾つかあるしこれからのシーズンにはうってつけの立ち寄りスポットかもしれない。ちなみに、ほんとうにひなびた素晴らしい場所なので、一時間くらい時間を取って山沿いの方向へトレッキングすることもおススメ。
いずれも差額は、特急券の初乗りぶん程度要するが、また訪れる機会はなかなか無いことを考えるとリーズナブルだ。
ほかにも、三河安城駅構内で名古屋駅の駅弁をゆっくり買ってみたり、浜松駅で下車し、在来線で弁天島リゾートへ行って、バッティングセンターで汗を流し浜名湖畔で真近に橋脚上を往く新幹線を見上げたり…意外にメジャースポットではなくマイナースポットのほうが癒されることもある。大人も子供も楽しめそうないろんな立ち寄り観光案はまだいくらでもありそうである。
よくテレビで、お盆で新幹線の乗車率何%などと言っているが、あれはのぞみに限った話。
とろとろと進んで大阪に夜に着けばいいや、などと思ったら、こんな途中下車を実践してしまうのも面白いかもしれない。