しかし残念ながら昨年は4位。真弓体制1年目はまさかのBクラスに転落した阪神だが、実力はまだまだ底知れないものがある。寅年の今年こそ、と全国のトラキチが期待するのは当然だ。
そこで気になるのが、これまで寅年に阪神は優勝したのか、ということ。はるか戦前の1リーグ時代にまでさかのぼって見てみよう。
阪神が優勝したのは、戦前の1リーグ制時代も含めると1937年秋、38年春、44、47、62、64、85、2003、2005年の9回あるが、そのうち最初の寅年は38年だ。37、38年は春秋の2シーズン制で、どちらの優勝もチームの優勝回数にカウントされる。そして、両シーズンの1位同士で年間総合優勝決定戦を行っていた。38年、阪神は巨人との年間総合優勝決定戦に勝利ししている。阪神は見事、過去に寅年に日本一になっていたのだ! しかも前年の37年も、春=巨人、秋=阪神での優勝決定戦で阪神が勝ち、2年連続のチャンピオンだ。強い阪神と強い巨人の「伝統の一戦」は、プロ野球発足時から始まっていたのだ。次の寅年の優勝は62年。2リーグ制後初優勝だが、日本シリーズでは東映フライヤーズに敗れている。残念ながら、寅年の優勝はこの2回だけだった。
他の寅年における阪神の成績はというと、以下の通りである(括弧内はその年のセ・リーグ優勝チーム)。50年=4位(松竹ロビンス)、74年=4位(中日)、86年=3位(広島)、98年=6位(横浜)…と、Aクラスは1度だけという有様だ。
ちなみに38、62年以外で阪神が優勝した年の十二支は、37年=丑、44年=申、47年=亥、64年=辰、85年=丑、2003年=未、2005年=酉。寅年と同じく丑(うし)年に2回優勝している。となると、丑年の昨年は優勝の可能性が高かったことになるのだが…。しかし、毎回優勝チームが違うことからも、寅年で2度優勝(セリーグでは1度だが)の阪神が優勝する確率は依然高いといえよう。
だが、ここに思わぬ伏兵がいた。
それが昨年最下位の横浜ベイスターズだ。50年セ・リーグ優勝の松竹ロビンスは、後に太洋ホエールズと合併している。そう、現在の横浜ベイスターズだ。これを合わせれば横浜も阪神同様、寅年に2回優勝ということになる(かなり無理やりだが)。
さらに、前回の寅年には日本シリーズで優勝、日本一になっている。横浜の寅年の順位は、チーム結成の50年から順に5位、2位、5位、4位、優勝(98年は日本シリーズも優勝)と浮き沈みが激しいが、2位と優勝があるのは見逃せない。
横浜は寅年に急に強くなる? ちなみに、巨人が2リーグ制導入後、寅年の優勝がないのが面白い。というわけで、干支から見ると、今年は阪神と横浜の一騎打ちになるのか?(もう一度言う。かなり無理やりだが)。
まあ、シーズンオフにあれこれデータを引っ張り出しこねくり回し、ああだこうだと考えて楽しむのがプロ野球ファンというもの。これも座興と許されたい。今年もキャンプインまであと少し。また胸躍る野球の季節が始まる。
(横浜 六太 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou