根尾は今季野手(外野、遊撃)としてプレーするかたわら投手としても2試合に起用されていた。立浪和義監督は13日、投手に本格転向させる方針を表明。「1-5」と中日4点ビハインドで迎えた19日の試合の9回表2死、打席に巨人4番・岡本和真という場面で転向後初めてマウンドに送られた。
岡本と対峙した根尾は初球に149キロストレートを投じ見逃しのストライクを奪うと、2球目の136キロスライダーで空振りを誘い早々に追い込む。そこから135キロのスライダー(ファウル)、151キロのストレート(ボール)を挟んだ後、5球目に投じたつり玉気味の149キロストレートを振らせ、プロ初となる奪三振をマークし9回表を終了させた。
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この根尾の投球を受け、ネット上には「直球は走ってたし、スライダーもいい感じに曲がっててかなり良かった」といった称賛の声が寄せられたが、中には「相手が良かっただけでは? 今季の岡本はそんなにバットコントロール良くないし」、「根尾が良かったというよりは、ボール球をブンブン振った岡本に助けられたって印象だな」、「岡本は初見で根尾の球筋が分からなかった面もあるだろうから、本当に実力で抑えたのかはちょっと怪しい感じもある」と冷たい見方を示すファンも散見された。
「今季の岡本は本塁打(18本/リーグ2位)、打点(48打点/同4位)ではリーグ上位の数字をマークする一方、打率(.242/ワースト4位)はサッパリとかなり確実性を欠いている打者。加えて、19日の根尾は岡本に投じた全5球中4球(2~5球目)がボール、もしくはボール気味、残る1球(初球)も真ん中低めの甘いコースだったことから、今回の好投は岡本がうまく球を見極めることができなかったことによるところが大きいとみているファンも一部見受けられます。また、岡本は根尾とはプロ初対戦でコースの傾向や球筋が今ひとつ分からなかった部分があるとして、次回以降の対戦を見てみないと判断できないという意見も散見されます」(野球ライター)
試合後の報道ではプロ初奪三振の喜びなどは語らず、「まだまだ初心者なので、レベルアップできるようにやっていきたい」と気を引き締めるコメントを残したことが伝えられている根尾。本人も岡本に対する投球に100%納得したわけではなさそうだ。
文 / 柴田雅人