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DeNA・筒香、レイズ入団は「ベビーシッター」のおかげ? 移籍市場の“仕掛け人”、億単位の大金を得る人物も

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 けっこう、儲かるみたいだ。

 筒香嘉智外野手(28)がタンペベイ・レイズと、そして、山口俊投手(32)がトロント・ブルージェイズと契約した。筒香は「2年総額1200万ドル(約13億1000万円)、山口については、「2年契約、年俸300万ドル」と伝えられていた。

 米FA選手の交渉の場でもあるウィンターミーティングを取材した米国人ライターがこう言う。

 「筒香、山口ともに良い代理人を選んだと思います。特に山口に関してはポスティングシステムで米球界に挑戦するといった情報が聞こえてこなかったので、どの球団も彼に関する情報が不足していました。DeNA時代にクローザーも経験しており、先発とリリーフの両方ができることを説明し、その両方に関する詳細なデータを提示していました」

 その代理人稼業だが、米国では「ベビーシッター」の通称で呼ばれている。プロスポーツ選手が社会生活に適応できていないことへの皮肉もあるようだが、「こんなことまで面倒をみるの?」という代理人の大変さから、そう呼ばれるようになった。しかし、かなりの報酬が見込める職業であり、彼らは法律、金融知識、経営などの専門知識も持ったインテリだ。

 筒香の代理人を務めたジョエル・ウルフ氏だが、今回のレイズとの契約で得る報酬は60万ドル(約6550万円)と推定される。スポーツの競技種目によって“相場”が異なるが、「メジャーリーグでは年俸額の5%」と言われる。穿った見方をすれば、交渉でゴネまくり、年俸を釣り上げれば、自身の懐に入る額も高くなるというわけだ。

 「松坂大輔がメジャーリーグに挑戦した際、その代理人を務めたスコット・ボラス氏が再び注目を集めました。19−20年オフの米FA選手3傑の代理人が、偶然にもボラス氏だったんです。この3選手とも長期高額の大型契約となるのは確実で、一時期、『ボラス氏が1億ドル(約110億円)を得る』なんて報道も出ました」(特派記者)

 近年、メジャーリーグにおけるFA市場では契約が遅延傾向にある。メジャーリーグ全体としての観客動員数が減少傾向にあり、その一方で各チームの主力選手は確実に成績を上げており、球団側の払えない事情と、選手の昇給必至の実態がぶつかり合うからだ。

 また、筒香は大成功を収める可能性も高い。近年、どういうわけか、レイズの所属するアメリカン・リーグでは左打ちのスラッガーからMVPが出ていない。筒香は左ピッチャーも苦手にしていないので、チャンスはある。

 「アメリカでは州ごとに税金を払わなければならず、慣れないと生活も面倒なんです。水道が壊れたら、その修理依頼の電話もできず、代理人に泣きついてきた日本人メジャーリーガーもいました」(前出・米国人ライター)

 まさに、ベビーシッターだ。しかし、こんな言い方もできる。代理人が何かの意図を持って交渉し、選手を動かせば、次年度のペナントレースの順位も変えてしまう、と。プロスポーツ界を“裏・操作”する快感と、大金。代理人稼業は辞められない。(スポーツライター・飯山満)

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