兵庫県警捜査第1課などが、勤務していた兵庫県三田市の市立三田市民病院で、ナースステーションから無断で持ち出した催眠鎮静剤を入院患者数人に投与したとして、元看護師の男性(34=同県丹波市)を窃盗と医師法違反(無資格医業)の疑いで、神戸地検に3月16日付で書類送検していたことが分かった。
捜査関係者によると、送検容疑は昨年5月、男性が同病院で催眠鎮静剤を数回にわたって盗み、医師資格がないのに70〜80歳代の高齢入院患者数人に点滴を使って投与する医療行為をしたとされる。
男性は「夜中にナースコールを頻繁に鳴らされるのが嫌で、患者を眠らせたかった。仕事のストレスがたまっていた」などと供述。容疑を認めているという。
この男性は昨年5月、男性入院患者の顔面を殴ったとして傷害容疑で逮捕された。罰金20万円の略式命令を受け、同年6月に同病院を依願退職している。
同病院は昨年5月、県警三田署に催眠鎮静剤がなくなったとして被害届を提出。その捜査過程で、元看護師の男性が浮上したもよう。
催眠導入剤を投与していいかどうかを決めるのは、当然のことながら医師。ナースコールが鳴れば、対応するのが看護師の務め。それが嫌だから、無断で薬を使って眠らせてしまうとは論外。大きな事故につながらなかったから良かったものの、このような人物には看護師の仕事を務める資格も資質もない。
(蔵元英二)