京都府内の小学校で担任したクラスの女児5人に乱暴やわいせつ行為を繰り返したとして、強姦と強制わいせつ罪に問われた元小学校講師・斎藤智由被告(32)に、京都地裁は3月9日、懲役20年(求刑懲役30年)の判決を言い渡した。
判決などによると、斎藤被告は10年2月〜11年1月、府内の2つの小学校で担任した当時8〜9歳の女児4人に、学校内や女児宅で計14回のわいせつ行為をした。さらに府内の別の小学校で受け持った女児に対し、8カ月間に女児宅で12回乱暴したほか、学校などで計11回のわいせつ行為をした。5人の女児に対し、実に37回も行為に及んだことになる。
公判で斎藤被告は罪を認めた上で、一部の女児について、「恋愛感情があった」と述べたが、宮崎英一裁判長は「不合理な弁解」と退けた。一方、反省の態度を示し、被害弁償を申し出ていることなどを考慮した。
宮崎裁判長は判決理由で「教師の立場を悪用した卑劣極まりない犯行。性欲の赴くままに蛮行を繰り返した。全幅の信頼を寄せる教師にわいせつ行為をされ、幼い心身が受けた苦痛は大きい。女児らの精神的苦痛は計り知れず、今後の悪影響も強く懸念される。教育機関の信頼も失墜させた」と述べた。
被害女児の父親の1人は判決後、「自分や娘の生きてきた中で最悪な事件だった。被告を死ぬまで許さない。教育委員会には使用者責任がある」と話した。
府教育委員会の田原博明教育長は「誠に遺憾。市町の教育委員会に対し、服務規律の徹底を求めたい」とコメントした。
この犯行の多くは学校内で起きており、しかも尋常な回数ではない。学校側はなぜ、もっと早く気付かなかったのか。監督責任も問われるのではなかろうか。
(蔵元英二)