右足に義足を着用したまま、撮影に臨んだ中西は「身一つで進む覚悟を示すため、障害もさらけ出した。障害者の見方も変わってくれればうれしい」と語っている。
中西は大分県別府市の明豊高校在学中にソフトテニスで高校総体、国体に出場。06年9月、地元開催の大分国体出場を懸けた大会の直前に、勤務先の塗装店で荷崩れした重さ5トンの鉄骨に足をはさまれる事故に遭い、右ヒザから下を切断。
07年から義足を着けて陸上を始めた中西は、同年10月には100メートル(13秒84)、200メートル(28秒52)で日本記録を樹立。08年北京パラリンピックでは100メートルで6位、200メートルで4位に入賞。その後、走り幅跳びも始め、4メートル96で日本記録を更新した。しかし、資金難から昨年は世界選手権出場を断念した。
3種目で日本記録を持つトップアスリートが、資金がなく世界選手権に出られないとは、障害者スポーツの悲哀を感じざるを得ない。有力選手に対しては、国や協会がもっと支援できぬものなのか、疑問は尽きない。
海外では資金難の健常者女子アスリートがヌードになるのは、決して珍しくはない。だが、こと国内では活動費を捻出するために、セミヌードを披露するのは異例。トップアスリートがここまでしないと、活動できないような現状は、ぜひとも改善してほしいものだ。
なお、中西のセミヌード・カレンダーはAmazonなどで発売している。定価は1200円(送料無料)。
(落合一郎)
※公式ホームページ http://www.m-nakanishi.com/