名にし負う新宿ゴールデン街にも、さわやかなバーはある。白で統一した内装は、年に一度は塗り直すという徹底ぶり。まだ30代の店主Sさんが、なぜゴールデン街に出店できたのだろう。
80年代後半のバブル絶頂期、だれもがアンタッチャブルと信じて疑わなかったゴールデン街が、ついに地上げの対象となった。地権者に飛び交う思惑と、マスコミを絡めたリーク合戦のさなかに、あっけなくバブルは崩壊し、街の店舗は乱杭(らんぐい)歯状態のまま残された。アブナイ街で、自分たちがアブナクなってしまったのだ。
危機的状況を打破すべく、家賃などのハードルを下げて、若い人たちに出店を募ったところ大反響を呼び、03年に開店したこの店のように、いまも10軒ほどが生き残っているという。ゴールデン街でバーを、という若者たちの人気はその後も衰えず、街の不動産屋に登録しても順番待ちとのこと。ぶらぶらしてみると、確かに以前はなかったようなタイプの店舗が目を引く。女の子ふたりだけで開店準備中のバーも数軒見かけた。不動産屋が女の子を優先しているのだとしたら、それなりの理由があるのかも。
ゴールデン街で飲んでみたい、とおっしゃる女子もあらせられるかと思われますので、メニューをご紹介します。チャージ700円。ビール600円〜。ウイスキー700円〜。ピスタチオ400円。なにかの節のグラスシャンパンは1000円です。わずか9人しか入れませんが、夜8時から朝5時までやってます。ゴールデン街も変わりました。
予算2500円
東京都新宿区歌舞伎町1-1-10、1F