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昭和5年に大発見の大洞窟…確かに鬼ヶ島には鬼がいた

 僕は鬼ヶ島に行ったことがある。場所は香川県高松市。沖合約4kmの女木島(めぎじま)というところ。

 源氏と平家の「屋島の戦い」で活躍した那須与一が射た扇の、こわれた残りが流れ着いた、ということから「めぎ(めげた=こわれたの意)」と呼ばれ、これがその名の由来となっている島だ。
 そして、ここに鬼ヶ島伝説が伝承されている。早速、島に降りると、かわいい鬼の石像が出迎える。なぜかモアイ像もいた。聞くところによると、15年前にイースター島のモアイ像再建時にテスト用に使った模刻像が、鬼ヶ島に寄贈されたそうである。
 目指すは、昭和5年に発見された大洞窟。すると、“ハリウッドサイン”ばりに“鬼が島”と大々的に飾られた看板に出くわす。そこで待っていたのは、鬼によく似た係員だ。何と、髪型が鬼なのだ。そんな係員が、洞窟にいる“鬼たち”の解説をしてくれる。饒舌な話しぶりは、まさに「鬼に金棒」。
 洞窟内に飾られた鬼たちは、とてもエキセントリックでダイナミック。酒盛り場や婦女子の監禁室、番人の控室まであり、洞窟の中は怪しくも楽しい。それにしても、係員の“鬼さん”はとても優しい。丁寧に解説をしてくれ、はしゃぎ倒す子どもにも笑顔でいた。こうした現地係員の方々のお話は勉強になる。年配の方であればあるほど、貴重な話が聞ける。それこそ代々から伝わる、おとぎ話のような昔話が聞けるかもしれない。なので、ニ、三ほど質問を用意してから行くのもよいだろう。
 ひんやりとした大洞窟は、とても心地よかった。是非、この夏は鬼ヶ島へ。ちなみに係員の方は日替わりで交代なので、優しい“鬼”に会えるかどうかは、行ってみてのお楽しみ。 

鬼ヶ島大洞窟
住所:香川県高松市女木町
問い合わせ:鬼ヶ島観光協会

(「旅ライター」海飛車鱗(うみとしゃりん)山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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