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72歳の無職男が生活保護費を元手に違法な高金利で金貸し

 低所得者や、病気等で働けない人のためのセーフティラインである生活保護が、とんだ形で悪用されてしまった。

 兵庫県警生活経済課と神戸北署などは5月26日、高齢者らに法定金利をはるかに超える金利で、現金を貸したとして、出資法違反の疑いで、無職の男(72=同県神戸市東灘区深江北町)を逮捕した。

 調べに対して、男は「よく覚えていません」などと容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は、11年3月〜8月頃、同県尼崎市の当時78歳の無職男性に対し、3回にわたって現金計20万7000円を貸し付け、法定金利の上限を上回る6〜71倍の利息計2万8000円を受け取る契約をしたとしている。

 13年10月に、神戸市内の高齢女性から県警に被害相談があり、発覚した。

 同課によると、04年以降、男が利用していた別人名義の3つの口座には、延べ88人から約1120万円の入金があったといいい、約10年の長きにわたって、計画的に高利で現金を貸していたもようだ。

 男は08年4月頃から生活保護を受給しており、県警では男が生活保護費を元手にして、高齢者を対象に高金利で金を貸していた可能性があるとみて、裏付け捜査を進めている。

 生活保護費の出どころはいうまでもなく税金であり、こんな目的のために支給されているわけではない。保護費を元手にして、金を貸していた男も問題だが、それに気付かなかった管轄の区役所も問題ではなかろうか。
(蔵元英二)

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