警視庁生活経済課は8月5日、クレジットカードで商品を購入させ、手数料を差し引いてキャッシュバックする「カード現金化」と呼ばれる手法で、法定利息を超える高金利で金を貸し付けたとして、東京都板橋区の飲食店経営・橋本幸治容疑者(41)を出資法違反(高金利)容疑で逮捕した。
同課によると、同容疑による現金化業者の摘発は全国初。同容疑者はキャッシュバックしたことは認めているが、容疑は否認しているという。逮捕容疑は昨年3月〜今年1月に、千葉県浦安市の男性会社員(49)ら4人に対し、おもちゃのネックレスやブレスレットをカード払いで販売。いずれも約100円の価値しかなかったが、代金の一部をキャッシュバックしたように装って計約346万円を融資、法定利息を約45万1200円超える計約69万5700円を受け取った疑い。同容疑者は06年7月〜今年3月の間に、全国の約750人に計約4億3000万円を融資し、約8000万円の利益を得たとみられている。
カード現金化は昨年6月に完全施工された改正貸金業法の弊害で、新たに金を借りられなくなった借金難民の駆け込み寺的な商法となっていた。その手法はいくつかあるが、主流となっているのがキャッシュバック付商品販売。二束三文の商品を高い値段をつけてカードで買わせ、キャッシュバックという事実上の融資をするもの。客側はカードの支払日までは一時的にしのげるが、実態は高金利を取られており、支払日に泣きをみることになる。
「不当景品類及び不当表示防止法」(以下、景表法)では、景品は取引総額の10%以下と規定されています。ですが、ほとんどの業者は、この販売方法は景表法の「もれなく型」に該当し、キャッシュバックは景品の例外に該当するため、取引総額の10%以上を提供しても合法と主張していた。
この商法の実態は法律の裏をかいた新手の高利のヤミ金で、警察もなかなか手が出せずにいた。警視庁は今後、同業者の摘発に力を入れる方針だという。
(落合一郎)
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