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日本列島を貫く大断層「中央構造線」が歪む巨大地震の“連鎖”

 「中央構造線」とは日本列島ができる時代に形成された断層だ。九州地方から茨城県まで、日本列島を貫くとされる。地震史を見ても、この付近で発生した大きな地震の後に離れた場所でも大きな地震が発生するパターンが多いことから、中央構造線を介した“連鎖”を指摘する専門家もいる。

 7月7日午後8時23分頃、千葉県東方沖を震源とする震度5弱(M6.0)の地震が発生した。大阪の大地震からわずか3週間。幸い被害や混乱はなかったが、何とも不気味である。
 「今回の地震の震源は約50kmと深かった。もし大阪北部地震(約13km)のように浅い場所で発生していたら、あんなものでは済まなかったはずです」
 こう語るのは、地震学が専門で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏だ。
 「震源地はプレートが重なり合う“地震の巣”とも言うべき場所です。深さ10km程度であった場合、地震動はさらに大きく、震度6ぐらいは揺れていたかもしれません。気象庁は、プレート境界の岩盤がゆっくり滑り動くスロースリップとは関連性がないとしていますが、中央構造線に絡んでいる可能性はあります。中央構造線は北は茨城県の水戸、南は都心の真ん中を通って太平洋に出ているという説もある。いずれにせよ、関東ローム層の堆積土によって実態は分かっていないのです」(島村氏)

 中央構造線とは、
 「また、中央構造線の動きが、付近の活断層に影響を与えるという見方もある。そのため大阪北部地震も、中央構造線の影響ではないかとする専門家もいるのです。特に、東京直下はこれまで判明している活断層とは別に、推定活断層と呼ばれるはっきりしないものも多く走っているのです」(サイエンスライター)

 首都直下型だった安政江戸地震(1855年=M6.9〜7.4)の震源は隅田川の河口だった。島村氏が言うように、もし中央構造線が都心の真下を走り太平洋に抜けているとすれば、活動が活発となっている今、同様の直下型が起きる可能性が非常い高いとも言える。また、安政江戸地震が起きた当時は、豊予海峡地震や伊賀上野地震、飛騨地震など、中央構造線沿いで数々の大地震が発生しており、現在の状況と似ているのだ。
 「この100年が静かすぎたのです。江戸時代は頻繁に大地震が発生し、火山が噴火した。東日本大震災が起き、普通の時代に戻ったというべきです」(島村氏)

 列島の底深くある「中央構造線」。日本の背骨が歪みつつある。

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