その画像は、アンパンマンの添い寝シーツ。ツイッター(Twitter)上で論議を呼んでいる。
また、そこから一歩進めて「安眠とセックス」の関係についても考察していこうと思う。
伝えているのは、「アンパンマンの添い寝シーツやばい on Twitpic」(http://twitpic.com/35vqoa)。誰でも閲覧できるように公開された画像が話題になっている。
■アンパンマンが「誘っている」!?
画像には、部屋の隅に置かれたベッドが1つ。そのベッドのシーツの左半分を占拠するように、人気キャラクターの『アンパンマン』の姿がプリントされている。その隣で横になると、まるでアンパンマンと「添い寝」しているようになるというわけだ。
画像の商品について、SEGAに問い合わせてみたところ、こちらの商品は「アンパンマンいっしょにおやすみシーツ」というのが正式名称で、数年前にUFOキャッチャーの景品として出回っていたとか。残念ながら現在は生産終了しているとのこと。
この画像を見た人たちからは、下記のようなコメントが寄せられている。
「吹いたwwww」
「さそってるwwwww」
「なんか顔とポーズがやらしい!」
「うわ、抱かれてぇ…」
一見したところ、「アンパンマンが(性的な意味で)誘っている」といった見解が多いようである。
床に入るやいなや、「布団、あたためといたよ」といわんばかりに満面の笑みのアンパンマンが出現するのだから、ドキっとするのも無理はないかもしれない。
■アンパンマンの絶対的包容力
しかし、筆者が着目したのは下記のコメントだ。
「なにこの包容力」
「どんな需要がww」
たしかに画像のようなベッドの配置で寝ようとすると、自然と壁側で寝ることになる。想像してみてほしい。
「壁−自分−アンパンマン」のサンドイッチ状態で寝る姿を。
するとどうだろう、アンパンマンがベッドから落ちないように自分を守ってくれているような図式になるではないか!! うーん、包みこまれるようなこの感じ、癖になりそう…。
そのとき、彼は隣で微笑んでいるだけ。決して私を誘ってきたりはしない(当たり前だが)。
このような「添い寝」のもたらす異様なほどの安心感はなんなのか、考えてみた。
■コミック『シマシマ』に見る「添い寝屋」の需要
セックス抜きの添い寝について、興味深い描かれ方をしているのが、漫画『シマシマ』(山崎紗也夏、講談社)だ。
主人公・シオの営む添い寝屋「ストライプ・シープ」は、依頼者の女性と添い寝するため「だけ」にイケメン青年を派遣している。作中では、イケメンたちが話し相手になったり腕枕をしてあげたりといたれりつくせりのサービスで、不眠に悩む女性たちを次々と心地よい眠りへと導いていく。しかし、そこではセックスはじめ性的な行為は一切禁止、というのが絶対の条件となる。
■セックスなんていらない!?
作中で主人公が口にする、こんなセリフが印象的だ。
「世の中の女がみーんなヤリたがってるなんて思わないこと。ただ男の人にそばにいてほしい夜だってある」(講談社モーニングKC『シマシマ』第1巻より引用)
実は、添い寝屋を営むシオ自身も、夫との離婚が原因で不眠に悩んでいるうちのひとりという設定なのだ。
個人的な話で恐縮だが、私は同棲していた恋人にフラれた過去がある。
添い寝が当たり前の状態からいきなり1人寝になった時の不安といったらもうそれは、想像以上のものだった(フラれたショックもありましょうが)。そんなことを、この作品を読んでいて思い出した。
どうしようもない不安にさいなまれて寝付けない夜、女性たちが求めるのは性的な満足ではなく、絶対的な安心感をもたらしてくれる存在なのかもしれない。隣で静かに微笑むアンパンマンのような…。※画像は「アンパンマンの添い寝シーツやばい on Twitpic」からのスクリーンショットです。(セルラ伊藤)
【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/