いつもは客としてライブに行く記者。今日は一応“破壊専用ギター”「SMASH」の取材でライブハウス代官山UNITへ。長年人気のロックバンド・怒髪天(どはつてん)と、人気お笑い芸人の安田大サーカスが合体し、一夜限りのスペシャルバンド“怒髪大サーカス”として登場。巨漢のヒロくんがギターをボロボロにしちゃった。
“怒髪大サーカス”が終わり、正規のライブは別料金で2,500円取られる。(なんて店だ!)そうこうしているうちに金網越しで、MCトークも噛み合わず、「あっち(ステージ)からこっち(客席)が見えない」という、「神聖かまってちゃん」始まって以来の“変なライブ”が始まった。ライブ終盤、ドラム女子のみさこが、ゴーグルをつけてオドオドギターを床にたたきつけるが、木製の「SMASH」は意外に頑丈で、ちょっとやそっとじゃ壊れない。今度はボーカルの「の子」(男)がやってみるが、なんせモヤシみたいに細いので、もっと割れない。その後出て来たバンドも、うっかり自前の方のギターを壊してしまったり、飛び散った破片のお掃除が大変だったりと、なんとなくイベントがグダグダに。記者はいたたまれず店を出た。
リサイクルされるとはいえ、日本人はモノを壊すのに抵抗がある。たとえそれがショーであっても…。なぜなら私は「もったいない」の国の人だから。
店の外に出ると、ライブが終わり一人佇む「の子」を発見。人だらけの店内がイヤになったのか、人が変ったように落ち着いている。「もしかして、この間の激しい“拒絶”は営業用なのか?」と疑った記者は、何か言ってやろうとそっと近づいてみる。鬼のような形相で自分を睨み、近づいてくる記者に気づいた瞬間、「の子」は慌てて地下へ飛んで帰ってしまった。別にとって食おうとしたわけじゃないから!
<コダイユキエ>イケメン好きの40歳独身女性記者
イラスト 今「神聖かまってちゃん」のCDは、全国のTUTAYAがタダで貸してくれる。