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書評「店長、出番です! ワタナベ店長の事件簿」渡邉小百合著、書肆侃侃房

 父親の倒産直面を機に、著者は求人誌で最も給料の高かった居酒屋店長の仕事に女性ながら裸一貫で飛び込んだ。その後、業界1位のモンテローザグループで売上げ日本一を達成して「伝説の店長」と呼ばれるまでの成長を描いたドタバタ体験記。

 東京の「魚民」府中店を日本一の売上げにし、ボロボロだった調布店を立て直す。知人も全くいない大阪でも、草津の田舎店でも常に結果を残す著者にはただただ脱帽だ。
 しかしそんな優秀な著者ですら3、4年働くごとに一度退社して1年間の充電期間を設けた。居酒屋店長という仕事はそこまで多忙を極めるものなのかと実に驚かされる。
 暴力団が来店したり、無銭飲食の客が忍び込んだり、さっきまでいたアルバイトがユニホームだけを残してこつ然と消えていたりと、居酒屋には毎日事件が一杯。
 そんな困った事件の解決方法を語りつつ、本の最後では「人生で成功するには心の成長が不可欠」という自論を説く。(税別1500円)

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