男性は大学の対応は不当な性差別に当たり違憲だとして、受験生としての地位があることの確認と慰謝料40万円の支払いを求める。
訴状によると、男性は11月、同大の「食・健康学科」の15年度社会人特別入試に出願したが、同17日付で不受理となった。同大側は「開学以来、女子の大学教育を一貫して行っており、その方針を変更することはない」としている。
この男性は栄養士を目指しているが、そのカリキュラムがある同県内の国公立大は、この大学しかないという。男性は経済的な理由で、国公立大に進めないと、その資格の取得を断念せざるを得ないとしている。
男性の代理人弁護士は「かつて女子大には、教育機会を得にくかった女性を優遇するという側面があったが、その意味は失われている。国公立の女子大の存在が憲法上許される根拠はない」と主張。入学願書の不受理は憲法14条や26条(教育を受ける権利)、教育基本法にも反している」と主張。代理人弁護士によると、同種の提訴は初めてとされる。
同大は1923年(大正12年)に開校した全国初の公立女子専門学校(福岡県立女子専門学校)が前身で、1950年(昭和25年)に4年制大学に昇格。男性が志望している国際文理学部の食・健康学科は2011年(平成23年)に設置された。
現在、国公立の女子大は同大の他、お茶の水女子大、奈良女子大、群馬県立女子大しかない。私立ならともかく、国公立でこの時代に女子大を設置する必要性があるのか? 非常に難しい裁判になりそうだ。
(蔵元英二)