5月28日に第1回口頭弁論があったが、訴状などによると、男性は沖縄県の昆虫店の注文を受け、鹿児島県の奄美大島で「アマミノコギリクワガタ」を採集。昨年7月2日、240匹を「ゆうパック」で発送した。
しかし、到着予定日の7月4日になっても、沖縄の昆虫店に届かなかったため、男性が問い合わせたところ、郵便局側のミスで熊本県に誤配されたことが判明。男性は奄美大島への返送を依頼したが、男性側は同6日に届いた時点で「クワガタは全て死んでいた」としている。
郵便局は死骸を預かり、男性が死骸を返すよう求めても、「腐ったので廃棄した」と言われたという。男性は「死体を防腐処理すれば、標本として販売することもできた」として弁償を求めたが、日本郵便側は「死骸は0円」と応じなかった。昆虫店への販売代金は1匹当たり雄1000円、雌600円で240匹分の代金の賠償を求めている。
日本郵便側は、誤配したことは認めたが、男性に届けた時点で「7匹しか死んでいなかった」と反論。預かった死骸も240匹ではなく140匹だったとしている。
ゆうパックの規定では、小動物や昆虫を輸送する際には、「えさや水の補給が必要ない」「悪臭を発しない」「死亡する可能性」を承諾することなどを定めている。
誤配がなければ、クワガタは生きていたのか? 争点はクワガタが死んだ原因が、誤配されたためかどうかになりそう。その認定は極めて困難で、難しい裁判になりそうだ。
(蔵元英二)