昨年5〜11月、郵便事業会社三島支店(静岡県三島市)で、配達員がはがきや封書などの郵便物100通以上を配達せずに隠し、事実を知った当時の支店長らが協議の上、隠ぺいのため一部をシュレッダーにかけて処分していたことが3月28日に分かった。
同社によると、三島支店韮山集配センター(伊豆の国市)に勤務していた期間雇用社員の30代の男性配達員が昨年5〜11月、同市内のアパートの使われていない集合受け箱2カ所に郵便物100〜200通を隠していた。
顧客の申し出で、昨年11月にこの事実を知った当時の支店長ら7人は対応を検討。隠された郵便物のほぼ半数は「誤配が理由で配達が遅れた」と偽って配達したが、残った郵便物は支店長ら5人がシュレッダーで処分した。
2月23日に内部告発で発覚し、同社は支店長や業務企画室長ら3人を今月12日付で懲戒解雇。他に課長ら4人を停職の懲戒処分とした。問題の男性配達員は昨年11月に退職していた。
同社東海支社の西原由哲支社長は「過去に例をみない前代未聞の不祥事。再発防止に全力で取り組む」と話している。
それにしても、ひどすぎる。これまでにも、配達員がちゃんと配達をしなかった不祥事は度々あった。しかし、その配達されなかった郵便物を、支店のトップが隠ぺいのため処分するなど、言語道断の不祥事である。郵便事業会社の社員は正規、非正規を問わず、自分たちが置かれている立場をもっと理解すべきである。
(蔵元英二)