search
とじる
トップ > 社会 > 永田町血風録 オバマ発言を利用し各党は世界への発言機会を増やすべき

永田町血風録 オバマ発言を利用し各党は世界への発言機会を増やすべき

 千葉、秋田両県知事選で民主党が代表として担いだ小沢一郎の手法による地方選が、ともに惨敗してしまった。これで民主党内には「小沢に代表を退いてもらいたい」という声が今まで以上に大きな渦となっている。しかも北朝鮮対策にもう一つ踏ん切りがつかない民主党も合わせて問題になっている。

 北朝鮮によるミサイルの発射で、日本の防衛のお粗末さが世界に広まった。ミサイルを追尾して撃ち落とすことを自衛隊は“実戦配備”して追撃する手配をした。ところが、北朝鮮のミサイルへの“情熱”はすさまじく、自衛隊の予測した以上に精巧に仕上がっていた。そのため、日本の防衛システムのお粗末さが露呈し、それが世界中に伝わってしまったのだ。
 その北朝鮮への「強い制裁」を政府が下そうとしたところ、「もっと慎重にすべきだ」と、国民感情を逆なでするようなコメントを社民党代表・福島瑞穂と日本共産党委員長・志位和夫は異口同音に発言した。そこで「あの両党は、いったい何を考えているのか」といった声が両党幹部には伝わっている。

 米国大統領オバマは、核兵器廃絶を訴えた演説で、米国が「核兵器を使用した唯一の核保有国」として、その廃絶に向けて行動する「道義的責任」を負うとの認識を表明した。この発言は「戦争の早期終結を理由に広島、長崎への原爆投下を正当化してきた戦後の歴代米国大統領による初の被爆地訪問」などへの第一歩となるだろう。
 オバマの「道義的責任」発言について、日本政府はどちらかというと静観の立場である。首相・麻生太郎は、同盟国であるが、米国に対してもっと強い口調で核兵器廃絶もさることながら、海外へ派兵して戦争を行っている「平和のため」というあやふやな口実はやめ、「全面的に戦争はやめるべき」とはっきりもの申すべきである。
 「こびへつらっている日本の政治家たち。国内のカネと政治の問題になると目くじらを立てて相手政党をやり込める。確かに間もなく行われるであろう総選挙のための見てくれはいいし、そのための得点稼ぎに最も適している事柄である」
 と、こうした意見はあるが、どうも選挙目当ての票稼ぎの言動にしか思えてならない。
 今、このオバマの発言をうまく利用して、政治家はもっと積極的にあらゆることに発言するべきだ。とくに社民党、日本共産党の両党は党勢拡大のチャンスなのに…。実際のところ両党は口をつぐんで表に声を出さないのが現実である。
 その点、麻生はことあるごとに外国へ飛び、しきりにアピールしている。民主党の幹事長・鳩山由紀夫や国対委員長・山岡賢次のようにライバル政党の幹部の発言に、すぐその言葉の端々にイチャモンをつけているようでは、もう一つ心が狭い。そんな気がするが…。
 オバマのこの発言をうまく使って、もっと世界に向けて発言してほしいものの、日本の各政党は…。今回の北朝鮮のミサイル発射に伴う日本の防衛省のお粗末な兵器について、もっと国会で問題にしてほしいものだ。国民はそう思っているはず…。(文中敬称略)

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ