そもそも二人のバトルがはじまったのが1年前。当時、AKB48に所属していた指原莉乃が週刊誌で過去のスキャンダルが報道され、HKT48に移籍することになった時からだ。当時から、AKB48の熱烈なファンであった漫画家の小林よしのり氏が、スキャンダルについての指原の説明に対して、「曖昧さは、原発事故の罪を追及される東電の言い訳のように曖昧に見える」と自身のブログで指摘。さらに、「むしろ『アンチ』になって見守るのが、さしこのためだと思っている」と発言。ここから二人の不思議な戦いがはじまった。
そして、指原のソロシングルの特典映像で二人の対談が実現。直接対決が注目された。指原が博多の屋台で待っていると小林よしのり氏が登場。すると指原は、「あ〜でた〜指原のことが嫌いな人だ!」と先制パンチ。二人で散々、AKB48グループについて話し合い、最後に指原が、「これからもナンバーワンのアンチでいて下さい」と言うと、小林よしのり氏も、「応援します。アンチとしてね」と返し、がっつりと握手をした。その後、テレビ番組に出演した小林よしのり氏は、指原について、「アンチだけど応援もしてやる」と語り、二人の関係は良好になっていた。
しかし、平和な日々は長くは続かない。指原が第5回AKB48総選挙の速報で第1位となると、小林よしのり氏は、態度を硬化させる。自身のブログで、「わしは指原莉乃が嫌いではない。 指原がHKTに貢献したことも認めるが、 1位になったら、AKB総選挙は、運営の狙い通り、 “洒落”と“話題性”が一番の “お祭り騒ぎ”になってしまう。それは“アイドル”の 定義が崩壊する危機だ」と危機感を語り、また、「大島優子や、渡辺麻友や、松井玲奈、山本彩、渡辺美優紀のファンは頑張れ! 」と他のメンバーのファンに“打倒・指原”を呼び掛けた。
日産スタジアムで行われた第5回AKB48総選挙開票イベントで、指原の第1位が決定すると、中継番組に生出演していた小林よしのり氏は、指原と中継が繋ながっている中で、遠慮することもなく、「速報が発表されてから国債の金利が上昇し、株価が暴落した」として、「日本は経済的に破たんする」と過激発言。ただ、指原も負けていない。すぐに真顔で、「1位は1位なんですいません」とけん制。これには、小林よしのり氏も、苦笑いしながら、「さしはら〜!」と叫ぶしかなかった。選挙後、小林よしのり氏は、「AKB48総選挙は、喜びも失望も多々あったにも関わらず、指原莉乃1位にはシラケた」とブログで語り完全に決裂状態となった。
そんな中、再び事態が動いた。指原は、6月29日に、小林よしのり氏の推しメンの一人であるAKB48(NMB48兼任)の市川美織とのツーショット写真をgoogle+にドヤ顔で掲載。「よ、よ、よしりん…」と明らかに小林よしのり氏を意識したコメントも綴られていた。ネット上では、「指原が小林よしのり氏を挑発している!」と話題に。すぐに小林よしのり氏もブログで反応。「ググタス(google+)見たら…指原のやつ、オヤジ連中をああやって転がしてきたに違いない」と発言。ただ、動揺したことは間違いないようで、「わしは優子の信徒であり、まゆゆの僕(しもべ)だ。これは絶対に守る!」とも語っている。
小林よしのり氏といえば、これまでオウム事件や天皇論などで独自の言論活動を展開してきた。このような人物と互角に張り合うアイドル指原莉乃には、現在のところ、「さすが総選挙1位の指原様!」と言うしかないかもしれない。
二人の小競り合いは、ファンの間で注目されることが多く話題性は抜群。小林よしのり氏は、近々、AKB48の評論活動から離れることを公言しているが、これを一番さびしく思っているのは、小林よしのり氏が推す、市川美織や大島優子、渡辺美優紀でなく、指原莉乃かも。