『G1クライマックス29』
▽13日 東京・大田区総合体育館 観衆 4,074人(札止め)
「G1のGは、後藤のG!以上!」
久々に“荒武者”後藤洋央紀の雄叫びが、大田区総合体育館に響き渡った。春の最強戦士決定トーナメント『ニュージャパンカップ』や真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス』で存在感を残している後藤の強さと実力は誰もが認めるところ。この日も前IWGPヘビー級王者で、後藤が所属するCHAOSを裏切ったジェイ・ホワイトを相手に、実力とパワーだけで押していった。後藤がこのモードに入ると、マネージャーの外道とともにインサイドワークを駆使してもジェイはまだまだかなわない。ジェイの成長よりも後藤の復活に懸ける思いの方が上回った試合だった。後藤は変形ファイナルカットを返されると今度はGTRでフィニッシュを奪い、白星スタートを飾った。
悲願のIWGPヘビー級王座獲得に向けて、今年のG1は「後藤のG」になるのか?初出場初優勝を飾ってから11年、2016年の準優勝から3年が経っているだけに、そろそろ結果を残したい。
優勝候補でIWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也が、“策士”矢野通に一本取られた。内藤は相手の土俵に乗るようにコーナークッションを手にして、普段は見せないファイトスタイルを披露。すると矢野は内藤のTシャツをめくり上げて視界を奪い、背後から悪質タックル。そして急所攻撃からの丸め込みで3カウントを奪取した。内藤は、余裕が裏目に出てしまいまさかの黒星スタート。矢野は今年も大物選手にとってやっかいな存在になりそうだ。
その他Bブロックではジュース・ロビンソン、ジョン・モクスリー、石井智宏が激戦を制し、白星スタートとなった。
取材・文・写真 / どら増田