番組では大杉さんが最後の映画となった『アウトレイジ最終章』に出演した様子や、『ぴったんこカン・カン』(TBS系)でたけしと大杉さんが共演した模様が流れ、北野映画と大杉さんの深い関わりを紹介。2人がキャッチボールをする様子も放送される。
カメラがスタジオに戻ると、安住紳一郎アナウンサーが「寂しいですね」と一言。たけしは珍しくうつむいたまま、「うん」と声を絞り出し、涙を見せる。
たけしは「オーディションのとき、あれなんだよね、遅れてんだよね。『ソナチネ』って映画で受からなかったら実家に帰るって、『サラリーマンになります』っていって遅れちゃうんだよね。
でも、俺が帰ろうとしたら、こう来て(すれ違って)漣さんが『すいません遅れました』っていうから」
と初めて出会ったときの様子を振り返る。
そして、『ソナチネ』内での大杉さんの演技について、「全部アドリブでやってって言っちゃったから」と説明。すぐ死ぬ役だった台本を書き直し、最後まで出演させたことを明かす。
さらに、『アウトレイジ最終章』で大杉さんに死ぬ役を演じさせたことに触れ、「俺が生かして俺が殺したみたいな妙な気持ちになって。悲しいけどね、申し訳ないなと思ってさ」と思い出を語り、「だけど早いよね」としたうえで、「人間っていうのは自分に近い人の死は堪えるね。縁があって自分の映画を支えてくれた人だから」と嘆いた。
普段は笑いを交えたコメントも多いたけしだが、大杉さんの話題については一切ギャグなし。カメラの前で涙を見せることも珍しかったため、視聴者からは「感動した」「泣けた」などの声があがった。
無名俳優から這い上がるきっかけを与えた北野武監督と、どのような役でも厭わず熱演し、北野監督の評価を上げた大杉さん。この2人の絆は、当事者にしかわからない深いものがあるのだろう。