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【オリックス】「治ったのは運じゃない」山崎福也、地元イベントで小中学生に感謝

 オリックスの“イケメン左腕”山崎福也が、9日、地元の埼玉骨髄バンク推進連絡会が主催する『第26回「いのちを考える」読書感想文コンクール表彰式』(彩の国すこやかプラザ)にゲスト出演した。

 このコンクールは、「小中学生に年に1度でいいから“いのち”について考えて欲しい」という主旨のもと、子どもたちが“いのち”について考えるきっかけとなる課題図書を読み、応募された感想文の中から特別賞、優秀賞を選考。毎年表彰式を行っている。

 今年は課題図書のひとつに、山崎がモデルになっている『甲子園がくれた命』(中村計 著)が選ばれ、特別賞と優秀賞(全12名)の中から『甲子園がくれた命』を題材にした感想文が3作品も受賞したことから、ゲスト出演した。

 山崎は日大三高への進学が決まっていた中学3年生のとき、母親の進言により受けた全身検査で、約4センチの脳腫瘍が見つかり、当時の生存率は10パーセントという厳しい状況の中、6時間に及ぶ手術に耐えて、2008年の春、腫瘍の全摘出に成功。その後、甲子園に出場、明治大学に進学し、大学ナンバーワンピッチャーとして、2014年ドラフト1位でオリックスに入団。今季はプロ初完封勝利も挙げている。

「話すのは苦手なんですよね」

 照れ笑いを浮かべながらこう話す山崎だが、昨年のオフに京都府内の小学校で行われた『夢の教室』で、「さっちゃん先生と呼んでください」と生徒に呼びかけてからはじめた、自身の闘病経験をもとに行った授業の評判が良く、今年は5日に、岡山県内小学校で講演を依頼されている。今回は、自身の経験を小中学生が感想文にして、朗読をしてもらえるという初めての機会だっただけに、山崎本人も熱心に作品を読みながら、耳を傾けている姿が印象的だった。『福也君が教えてくれたこと』で優秀賞を受賞した杉山航平君(所沢市立向陽中学校3年生)は、小中学校ともに山崎の後輩にあたり、小学校の頃は山崎と同じ新所沢ライノーズに所属。現在も硬式野球のクラブチームの一員として野球に励んでいるという。これには山崎も嬉しかったようで、笑顔で話しかけていた。

 表彰式終了後、小中学生の質疑応答やサイン、写真撮影にも気軽に応じていた山崎だが、最後に「埼玉といえば西武ライオンズのイメージが強いですが、きょうをキッカケにオリックスのことも少し知ってもらえればと思います」と話すと会場が笑いと拍手に包まれた。

「最近はずっと野球のことしか考えていなかったので、10年前に手術を受けたときの気持ちを思い出しました。『頑張るときは いつも今』で埼玉県知事賞を受賞した甲斐迅翔君(越谷市立東越谷小学校4年生)朗読で「治ったのは運じゃない」って言ってたじゃないですか。ホントその通りなんですよ。運じゃなくて周りの人たちに恵まれたんです。僕はあの頃から今までいろんな人に支えられてるんだなって。いろいろと思い出させてくれました。昔の気持ちに戻ることができただけでも、きょうこのコンクールに出られて良かったです」

 今後も経験を話すことで役に立てるのであれば、講演活動も少しは続けていきたいという山崎だが、もちろんマウンドでの活躍が同じ病に苦しんでいる人たちに、最も力や希望を与えることを理解している。来季は心機一転、背番号も「17」から「0」になり勝負の年になるに違いない。今度は「さっちゃん先生」の奇跡の先を見せて欲しい。

取材・文・写真 / どら増田

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