球団は2012年から2014年までの3シーズン『ダグアウトの向こう』シリーズを制作。普段ファンはもちろん、報道陣も見ることができないロッカールームなどバックステージにカメラを入れることで、プロ野球の世界に潜む喜怒哀楽を鮮明に映し出すことに成功。「ここまで映すのか?」と業界内外に衝撃を与えた作品となった。
昨年より『FOR REAL』として復活した最新作は、2月の春季キャンプから、公式戦はもちろん、激闘続きだったクライマックスシリーズや日本シリーズの裏側を、キャプテンの筒香嘉智、クローザーの山崎康晃を2本の柱にしながら、全選手、監督、コーチだけではなく、裏方のスタッフも随所に登場し、プロ野球の世界ならではのドキュメンタリー映像作品として仕上げている。
会場には約400人のベイスターズファンが詰めかけ、熱気がムンムン。挨拶に立った今永は「ここまで撮られているとは…来年は気をつけます」とコメントすると、桑原が「1年間の喜怒哀楽が凝縮されている。見返すといろいろな思いが甦りますね」と続けた。劇中、桑原がロペスにいたずらを仕掛けられる場面があるが、「いたずらといえば筒香さん。筒香さんはいたずらしかしないんですよ。風呂でそっと近づいてきて、背中を思い切り叩いたり(笑)」と筒香のいたずら好きを暴露。しかし、「でも、試合中は隣のポジションなので声をよくかけてもらってます」とフォローするのも忘れなかった。今永も「筒香さんは自分が苦労していても、チームのため、プレイヤーのために動いてくれる。苦しいときに相談に行ったら、不安を消すような練習方法を教えてくれました」とこの作品で重要なポイントとなっているキャプテンの気遣いに感謝していた。
最後に、ファンに向けて今永が「応援は力、来年も応援してもらえるような選手になります」と話し、桑原は「今年は応援ありがとうございました。来年も厚い声援、よろしくお願いします」と締めくくり、場内からは熱い声援が送られた。
取材・文 / どら増田
カメラマン / 萩原孝弘