そんなぜいたくなあなたにお勧めなのが、妖怪だ! えっ、妖怪、なんで? と疑問に思うかもしれないが、妖怪には根強い人気があり、何より、見ていて楽しい。夏の間にGETした恋人を初めて部屋に呼ぶとき、妖怪を置いておけば、「ねえ、ねえ、なに、これ」と恋人ははしゃぐだろう。すかさず、「何か妖怪?」とギャグをかますこともできる。状況次第では、恋人との距離が一気に縮まることだってありえるぞ!
ということで、部屋に飾る妖怪を探しにやってきたのは、JR東中野駅から歩いて4分のアートギャラリー「ビタミンTee」(東京・中野区)。そこで、9月10日から19日まで、作家・茶柱立太(ちゃばしら・たった)さんの個展「もののけ残暑」が開催中だ。細かいことをごちゃごちゃ書いたが、簡単にいうと、期間中、ギャラリーで、立体造形物の妖怪たちがあなたを待っているということだ。
初日10日の開店時間、ギャラリーには、大人の上半身ほどの大きさがある「河童」をはじめ、手拭いをかぶった「猫又」、手のひらの上に乗る「塗壁(ぬりかべ)」など、さまざまな妖怪たちが展示されていた。
しかし、店内を見渡してみると、何かがおかしい。注意して見ると、開店時間ちょうどのはずなのに、すでに、いくつかの妖怪に、「御売約済」の札が。在廊していた茶柱さんに聞いてみると「搬入中に、お客様が買ってくださりました」とのこと。茶柱さんは、マニアの間では知る人ぞ知る人気作家だったのだ。
伺うと、茶柱さんが妖怪の立体造形物を本格的に作り始めたのは、3年前に参加したグループ展からという。展示会のたびに反響が生まれ、リピーターのファンも多いとのこと。どの妖怪もリアルで、表情がひとつひとつ違う。でも、髪の毛はつけないそうだ。茶柱さんいわく「つけたら夜中に伸びそうで怖い」。その配慮のためか、現在のところ、旅行から帰ってきたら妖怪に髪の毛が生えていたり、夜中に笑ったりという異変は報告されていないそうだ。
個展「もののけ残暑」では、期間中、新作の立体造形妖怪の補充も行い、ほか、妖怪レターセット、妖怪Tシャツ、妖怪カードなど、おしゃれで実用性の高いグッズも並べられるというぞ。部屋に何かが足らないと思っている人も、そうでない人も、妖怪に会いに、ギャラリーを訪れてみてはいかがだろうか。(竹内みちまろ)