この内訳に関しては、各メディアの報道などにより既にご存知という方も多いことだろう。ただ、これが“優勝”ではなく“準優勝”となると知っている人は少ないかもしれない。そこで、振り返りの意味も込め、ここまで5場所の準優勝力士たちを以下に紹介していきたい。
1月場所で準優勝力士となったのは高安(12勝3敗)。中日8日目以降は全勝と素晴らしい内容が続いたが、4日目栃ノ心戦を含む前半の3敗が響き優勝を逃している。もし直接対決の勝敗が逆ならば、賜杯の行方は優勝決定戦によって決まっていたのかもしれない。
3月場所で準優勝を果たしたのは高安(12勝3敗)、魁聖(12勝3敗)の2名。なお、魁聖は13日目の鶴竜戦で敗北を喫しているが、もしこの一番を制していれば魁聖と鶴竜の位置が逆になっていた可能性は高い。
5月場所の準優勝力士は栃ノ心(13勝2敗)。先ほどの魁聖と同じく、栃ノ心も14日目の鶴竜との直接対決に敗れているが、勝敗が逆なら賜杯を携えての大関昇進が濃厚となっていたことだろう。
7月場所で御嶽海に次ぐ成績を残したのは豊山(12勝3敗)。上位陣との対戦がさほど組まれない平幕上位であること、その上位陣に休場が相次いだ場所であることを差し引いても、これは立派な成績だといえるだろう。
9月場所で準優勝となる成績を残したのは豪栄道(12勝3敗)。ちなみに、近年の豪栄道は9月場所を得意としており、昨年は優勝同点(11勝4敗)、一昨年は全勝優勝といった結果を出している。
準優勝までたどり着けたということは、賜杯を手にする資格も十分ということ。今回登場した5名の力士たちには、11月場所で“準”の字を取り払うような活躍を見せてくれることを大いに期待したい。
文 / 柴田雅人