ソフトバンクグループが開発したペッパーの契約更新に陰りが見えている。
ペッパーは、一般家庭向けの販売モデルと、企業や教育機関向けのレンタルがあり、ソフトバンクロボティクス(SBR)によると、2000社を超える企業で活躍しているという。
「'15年10月から始まった法人向けレンタルは契約期間が3年で、今年10月に契約更改となったのですが、更新すると答えた企業は15%程度にとどまったのです」(ITライター)
クビの理由は、こんな具合。英国のショッピングセンターで案内役を任されたペッパーくん。来店客が「牛乳はどこにありますか?」と尋ねても「乳製品売り場にあります」としか答えられない。客は「その乳製品売り場がどこにあるか知りたい」のだが、それに対応できなかったというのだ。
ウリの一つが多言語対応だったが、これもスマホやタブレットのアプリでカバーできる時代になった。
「発表当時は目新しさがあったものの、ブームがすぎ去り、今では子供さんしか相手にしてくれない」(関係者)
とはいえ、継続雇用してくれた企業もある。回転寿司チェーンの『はま寿司』では、全国497店舗に1体ずつペッパーを採用。店の制服を着て、「何人でご来店でしょうか?」と受付業務をこなし、「どうぞ○番テーブルに行ってください」と案内する上、客の待ち時間の相手もする活躍ぶりだ。
「他にも図書館で本を探す手助けをしたり、介護の現場で体操を教えるなど、使い方次第なんですが、意外に高給取りで、3年総額200万ほどかかる。費用対効果はビミョーです」(関係者)
では、大量に出戻ってくるペッパーはどうなるのか。
「ソフトバンクは米ロボットベンチャー企業の『ボストン・ダイナミクス』を買収しています。返却されたペッパーと、ダイナミクス社の技術を組み合わせて、次世代のペッパーを開発するのではないでしょうか」(IT企業経営者)
11月8日、ソフトバンクロボティクス株式会社は、「あさってロボット会議」をスタートさせ、同日にWEBサイトをオープンさせた。「人間の脳を超えるAIはできない」という識者もいる昨今、明後日のロボットとは…そしてその未来は…興味が尽きない。