同作は、“鉄の女”と呼ばれ、人前では涙を見せなかったというマーガレット・サッチャー元英国首相の40年の歳月を描く。ストリープは本作で先月26日発表の第84回米アカデミー賞主演女優賞を受賞し、待望の日本公開は16日から。
3年ぶり5度目の来日となるストリープは、マイクを持つと「今回、日本にこの映画を持ってこれたことを、非常に誇りに思っています」とあいさつし、存命中の人物を演じるため「加えられた責任がある」と感じたエピソードを紹介。サッチャー元首相のプライベート面を想像する際も含めて、正確であり、「真実に近い役を作ること」を心掛けたという。サッチャー元首相は、「女らしさを捨てたいという誘惑もあったと思う」が、ハンドバッグを持ち歩くなどの女らしさを捨てなかったことを告げ、「一人の生き方に自分を重ね合わせることができるような演じ方をしたかった」と振り返った。
また、質疑応答で野田首相へのアドバイスを尋ねられ、サッチャー元首相を演じたストリープが、「演技に関するアドバイスなら、どうぞ、私のところへいらしてください」と笑顔で回答する場面も。ロイド監督は「この映画は、イギリス人のためではなく、世界中の人のために作りました」と紹介し、ストリープは「日本に来れてとてもうれしいです。何度でも来たくなる国です。日本の観客の皆さまがこの作品を楽しんでいただけることを望んでいます」とメッセージを送った。(竹内みちまろ)