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「武蔵屋」(むさしや、居酒屋)

 JR根岸線・桜木町駅から徒歩470歩

 佇(たたず)まいが、伊勢藤(神楽坂)。雰囲気が、金田(自由が丘)。気さくさが、まるます家(赤羽)。
 あるはずのないそんな居酒屋が、ありました。知る人ぞ知る「武蔵屋」です。光栄にも、やっと知る人になれました。看板も、表札も、暖簾もないので1度目は探しても訪ね当たらず、2度目は姉妹がご高齢のため夏季は休業中ということでおあずけ。これが3度目の挑戦でした。お酒は3杯までと決まっております。おかずは5品のコースのみ。たまねぎスライス、おから、納豆、湯豆腐が順次、最後におしんこが出てまいります。

 桜正宗の燗酒は、84歳の姉妹(のどちらかの方)が、コップの表面張力一杯に注いでくれます。3杯目の半ばを干したころでした。つと土瓶が寄ってきて中味が再び満たされます。驚いて、お姉さん(か妹さん)に「いいの?」と訊(たず)ねたら、「ん、いくない」というかわいいお返事。セーラー服の女子とも見紛(まご)う受け答えにのけぞってしまいました。
 きびきびと働いて姉妹を助ける若い衆は、横浜国大生。以前は神大生。ともあれ卒業生から申し送りされるアルバイトというのも、いい感じ。一見(いちげん)なのにこんなに歓待されて、すっかり嬉(うれ)しくなった野毛の一軒目のお代が2200円。お一人様2200円というのも、お決まり。JR根岸線を挟んで、天を衝くランドマークと胸を衝くお値段の武蔵屋に一礼をして辞したのでありました。

予算2200円
神奈川県横浜市中区野毛町3-133

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