底は脱したというものの、空き店舗も目立つし、リーマンショック前にはよくあった銀行やレストラン、ストアの景気のいいプロモーションも目に付かない。勤務先のスーパーの前でストライキをする従業員も見かけた。
日々地下鉄構内や車両内で日銭を稼ぐストリートミュージシャンはニューヨーク名物のひとつだが、彼らもチップが少なくなるなどひしひしと不景気風を感じるという。
その為か、以前は必ずミュージシャンがいた駅でも彼らの姿を見かけず、車両内で必ず遭遇した物乞いや物売りも「商売」にならないせいかめっきり少なくなっていた。
代わりに増えていたのがプロらしいメキシコ人のマリアッチ楽団。彼らに取ってはドルの価値が大きいからだろう。
地下鉄駅で演奏するミュージシャンはATMのオーディションを受けて合格して許可証を得ているので力量はなかなかのもの。CDを販売している者も多い。
あるストリートミュージシャンは、2010年は、2009年に比べると確実に経済が回復に向かっている兆しを感じたという。
ニューヨークの地下鉄を賑わすストリートミュージシャンが今年はたくさん戻って来て、なかなか来ない電車を待つ乗客をいっとき楽しませてくれる事を期待したい。(セリー真坂)