横殴りの雨にずぶぬれになりながら到着した恵比寿リキッドルームは若者たちで溢れていてカオスな雰囲気。会場内は超満員で若くて可愛い女の子たち(多分HALCALIのファン)、ビシっとスーツを決め込んだ中年男性(鳥肌ファン)、その他メガネ男子(かまってちゃんのファン)と雨カッパのオバチャン一人(記者)。そんな客を前にギターバンドLAGITAGIDAのライブが始まる。
LAGITAGIDAはマーティ・フリードマン風のギター(日本人)、と白いブラウスのベース、裸のドラム、ピアノの四人組。演奏上手いけど、歌が無いので少々タイクツ。何曲か演奏して次回のライブの告知をして終わる。にわかに赤いTシャツをきた人たちが出てきて次の出演者のため、ステージのセッティングをはじめた。
オレンジ色でかぼちゃの顔がついた旗やかわいいオバケの風船でハロウィン仕様に装飾されたステージに登場したのは鳥肌実では無くて、人気女性デュオHALCALI(ハルカリ)。なぜHALCALIなのかというとハルカとユカリが歌っているから。最初、踊りもせずやる気の無いPUFFYみたいな感じで出てきた二人は自己紹介のMCを挟んで「今夜はハロウィン・パーティー」と打ち出し急にダンサブルな曲を楽しく歌い始めた。場に慣れないお客のノリも考えた上手な演出だ。やっぱりカワイイ女の子が華やかに踊ったり歌ったりしているのを見るのは楽しく、魔法使いの帽子を被ったドラムの男の子とDJみたいな人は両方イケメン。なんかすっごいオトク感のあるライブに。多分、4500円のうち3000円くらいの価値はHALCALIにあるかも。と、喜んでいるとVIP席に招待客らしき人がぞろぞろ出入りして正規の客の視界を遮る。YUCALIちゃんの方が「新堂本兄弟」にレギュラー出演しているからか、業界人風の派手な輩が多かった。有名ドラマプロデューサーO氏の姿も。そうこうしているうちにハルカリ以下バンドのみんなが電飾メガネをかけてラストの曲に。日産キューブのCMでおなじみもヒット曲「今夜はブギー・バック」を歌い始める。最初ボーっとしてノリが悪かったメガネ男子たちも「ダンスフロア〜」のフレーズでノリノリになり、皆の頭の中が「エコカー減税」や「のってカンガルー親子」でいっぱいになったところでハルカリのライブ終了。学園祭のライブみたいで楽しい一幕だった。
とにかく歌も踊りも楽しいし、カワイイのに本格的なラップも披露しちゃうHALCALI。巷のアイドルとは一味違った女性デュオとして2011年はさらにグーンと飛躍するのではないか。懐かしい米米クラブの「浪漫飛行」もカバーしてたし、若い彼女たちを見て楽しかった約20年前をぼんやり思い出していた。しかし、そんなほっこりした気分を打ち破るような鳥肌先生の鳥肌モノのライブの足音はすぐそこまで来ていた。(つづく)