1976年(昭和51年)、東京の西側を走るローカル線で、現役の高校生94人が一斉に警察に補導されるという珍事件があった。補導の理由は全員タバコを吸ったことだったのだが、補導された時の状況が、まさに常識外れであった。
当時の報道によると、高校生たちは登下校の時刻になると、ゾロゾロと先頭車両へと移動。大人が一人もいなくなるのを確認すると、隠し持っていたタバコに火を付け、列車の中でスパスパと一斉に吸い出したのだという。
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次第にタバコの回し飲みなども行われ、先頭車両はタバコの煙で充満し、隣の車両にもタバコの煙が入り込む始末であった。また高校生たちは、学校にバレたくないあまりに先頭車両にいる一般客に対し、「この車両は貸し切りです」と追い返したり、列車の中間部にある乗務員室へ入り込み、カーテンを閉めるなどやりたい放題。さらに無賃乗車だったのか、窓から飛び降りて改札を通らずに駅外へ出たりといった、常識外れの行為を続けていたという。
地元警察署も最初は様子を見ていたが、ついに我慢の限界となり、「喫煙車両」にいた高校生94人を一斉に補導したという訳だ。なお、高校側は「登下校中の行為なので」と注意が出来なかったが、一斉に94人も補導されたとなれば、話は別で「適切な指導を行っていきたい」と約束したという。
この一斉補導事件以降、「喫煙車両」は姿を消し、列車には平和が戻ったという。