巨人が東京ヤクルトに勝利し、オープン戦初戦で白星を飾った(2月23日)。新加入選手をテストするため、試合そのものは“大味”だったが、原辰徳監督は上機嫌で引き上げてきた。
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「見事でしたね」
称賛したのは、「ポスト坂本」としてブレイク中のドラフト4位ルーキーの門脇誠内野手(創価大)。7回、ヤクルト・武岡龍世が放った三遊間への強烈な打球に対し、逆シングルで捕球。素早く一塁にノーバウンド送球し、アウトをもぎ取った。
その守備範囲の広さと強肩ぶりは紅白戦などでも披露されてきたが、原監督は、「門脇をショート以外で使うのか?」の質問に対し、
「ショートとサードの間くらいってこと?」
と笑って返した。さらに、
「内野は1、2、3、4人だからね~」
と“意味シンな笑み”も浮かべていた。
チームの精神的支柱である坂本勇人選手は外せない。「ショート以外」で起用することになるのは、坂本の方ではないだろうか。
「主砲・岡本和真選手が侍ジャパンの強化合宿でレフトを練習しています。岡本の外野起用を言い出したのは栗山英樹監督でしたが、その外野守備の巧さに驚いていました」(現地メディア)
岡本がチーム帰還後もレフトを守れるのなら、「サード」が空く。しかし、こんな情報も聞かれた。
「25日から中山礼都内野手が一軍に合流します。ファーム首脳陣が中山、岡田悠希外野手、廣岡大志内野手の3人が打撃好調で、強く推していました」(球界関係者)
中山は昨季、坂本不在の間のショートを任されたが、「打撃面での非力さ」で一軍に残ることができなかった。しかし、2月前半の宮崎キャンプでのこと。二軍が練習する「ひなたひむかスタジアム」で快音を連発させていた。「こんなにバッティングが良かったか?」と思うほどだった。
「中山にもショートの定位置争いのチャンスを与えるはず。でも、一軍首脳陣は坂本と門脇の両方をスタメンで起用する方法を模索している雰囲気もします」(前出・現地メディア)
昨年の秋季練習中、原監督と坂本が話し合い、坂本の方から「ショートで勝負したい」と伝えたという。
もっとも、内野手のコンバートはサインプレーも絡むため、前年の秋季キャンプから準備しなければ間に合わない。ここまで、坂本がショート以外のポジションでノックを受けていない。原監督は坂本と売り出し中の新人・門脇のどちらかを開幕オーダーから外さなければならないだろう。
「昨秋のドラフト会議前、原監督と水野雄仁スカウト部長がショートが守れる大学生、社会人の映像資料をチェックしていました。『門脇が欲しい』と言い切ったのは、原監督です。ひょっとしたら…」(前出・球界関係者)
坂本をショートのレギュラーに抜てきしたのは、原監督だった。
奇しくも、今季は坂本の5年契約の最終年でもある。推定年俸は6億円。巨人以外のユニフォームを着る姿は想像できない。しかし、門脇のハツラツとした守備を見ていると、「大きな転換期」がすぐそこまで来ているような気がしてならない。(スポーツライター・飯山満)