「松田さんでいいですか?」
「いや、熱男で」
松田は新人合同自主トレの輪に入り、ノックを受けていた。ドラフト2位の萩尾匡也(慶應義塾大)の問いかけに、松田は「熱男と呼んでくれ」と明るく返していた。
本当に、声が出ていた。ソフトバンク時代から声を張り上げていたが、移籍してきて改めてそう思った。
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練習後、浅野翔吾(高松商)が「声を出して、ボールを引き寄せているみたい」と称していたが、松田の影響だろう。同日の新人たちにも活気が感じられた。
「岡本和真がWBCでチームを留守にします。その間、松田が三塁の守備に入るので、キャンプ中の内野ノックはかなり雰囲気も変わってくると思います」(スポーツ紙記者)
松田は外野ノックにも加わっていた。「レフトの練習はしてきた」との情報も聞かれたが、後方の打球を追う際、ちょっとふらつく場面もあった。
「松田は『レギュラーを獲りにきた』とも語っていましたが、主砲の岡本と三塁の定位置を争うことは考えられません。レフトで勝負すると思います」(プロ野球解説者)
キャンプでは外野の守備練習にも時間を掛けなければならないが、巨人の雰囲気を変えそうなオトコがもう一人いる。WBCキューバ代表を辞退し、「巨人との契約に専念したい」と表明したヨアン・ロペスだ。
「真っ直ぐが速いし、制球力も高い。ビッグネームの多いニューヨークメッツでは目立たなかったけど、このオフに補強した新外国人選手の中では一番だと思う」
現地の映像も見た前出のプロ野球解説者がそう言う。
しかし、ロペスは“熱すぎる一面”も秘めている。
「昨年4月、ロペスは対戦打者の顔付近に剛球を投げ、それがきっかけで乱闘試合に発展しました。本人は否定していましたが、相手打者を故意に威嚇したとされています」(現地メディア)
その威嚇球が投じられたとされるのは、カージナルス戦。前日の同カードから両チームの投手が死球を連続させ、試合開始前から不穏な空気が漂っていた。ロペスの際どい投球が乱闘の引き金となってしまったが、
「相手打者が怒鳴りつけた時、ロペスは睨み返したんです」(前出・同)
とのことだ。
複数の関係者に確認したが、ロペスのWBC辞退は報告が入るまで本当に知らなかったという。日本行きがチャンスと捉え、ハイペースで調整しているそうだ。
ジャイアンツ球場を見渡すと、今年は選手の仕上がりが早い。どちらかと言えば、スロースタートなチームだっただけに、熱男やロペスのペースに合わせすぎると、開幕戦前にバテてしまうのでは? (スポーツライター・飯山満)