報道によると照ノ富士はこの日、所属する伊勢ヶ濱部屋で行われた稽古後に取材に対応。その中で「多いときは(平幕)錦富士とかと20番くらい」と他力士と相撲をとる稽古を再開していることを明かした上で、次の3月場所での復帰について「できたら出たいと思ってやっている」と意欲を見せたという。
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照ノ富士は2022年10月に両膝の手術を受け、同年12月に入ってからは立ち合い確認、ぶつかり稽古といった調整を再開できるまでに回復。ところが、2023年1月場所前に両膝に痛みが出たため同場所を休場することに。また、同場所後に東京・明治神宮での奉納土俵入りに臨んだ際も、「引っかかる部分とかそういったものはなくなってきていますけど(本来なら)人工関節を入れなければいけない膝なので。痛みはいつも通りという感じ」と痛みが続いている旨を語ったことが伝えられていた。
照ノ富士の発言を受け、ネット上には「着実に持ち直してるようで安心した」、「こないだまで痛み変わってないって言ってたのに」といった反応が寄せられた。一方、中には「このままの調子で3月場所復帰なら貴景勝にとっては朗報かも」、「横綱不在もあって綱とり渋られてるしなあ」、「照ノ富士を破った上で優勝ならほぼ確実に綱とりは実現しそう」といった、大関・貴景勝の綱とりを絡めたコメントも見られた。
横綱審議委員会の内規では横綱昇進について「大関で2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績を挙げた者」と定められている。これにのっとるのであれば、1月場所を「12勝3敗」で制した貴景勝は次の3月場所が綱とりの場所となるが、昇進を預かる審判部・佐渡ヶ嶽部長(元関脇・琴ノ若)は「まだそこは私たちは何とも言えない。(12勝という)星もある。相撲内容も」と明言を避けたことが伝えられている。
「審判部が不服としている相撲内容ですが、照ノ富士との対戦がないことも含まれているという見方があります。照ノ富士が休場しているここ3場所で、貴景勝は10勝、12勝(優勝同点)、12勝(優勝)といった勝ち星を残していますが、審判部は横綱不在の場所でも12勝程度にとどまっている力士に綱とりの資格はあるのかと考えている可能性もあります。ただ、仮に3月場所で照ノ富士が復帰となれば、貴景勝としては横綱を破って相撲内容で好印象を与えるチャンスとなります。直近の角界では大関・稀勢の里(現二所ノ関親方)が2016年に年間最多勝(69勝)に輝いたこと、2017年1月場所で初優勝(14勝1敗)を飾ったことに加え、同場所千秋楽で横綱・白鵬(現宮城野親方)を破ったことを評価され場所後に横綱昇進を果たしたケースがありますが、貴景勝も照ノ富士を破った上で3月場所優勝なら十分昇進は見込めるのでは」(相撲ライター)
3月12〜26日にかけて予定される3月場所まであと1か月。照ノ富士が土俵復帰できるレベルまで回復できるのか今後も注目を集めそうだ。
文 / 柴田雅人