今回の動画で藤本監督は「76勝65敗2分」でパ・リーグ2位だった昨季の振り返りや、選手起用を決める際に重要視しているポイントなどを話した。その中で、藤本監督は昨季終盤に松田を二軍送りにしたのは“親心”だったという話を明かした。
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松田は2006年のプロ入りからソフトバンクでプレーしていた強打の三塁手だが、昨季は深刻な打撃不振に陥り、「43試合・.204・0本・7打点」といった数字にとどまっていた9月8日に登録抹消に。その後は一軍に上がれないまま同月28日に退団が発表されたが、約2か月後の11月11日に巨人に加入している。
9月28日の退団会見の中で松田は、抹消前日の9月7日に球団から来季契約を結ばない旨を通告されたことを明かしている。ただ、藤本監督は「試合になかなか使うことはできないんですけど、その中でマッチ(松田)がベンチでムードを作ってくれたというのは、これは一番僕は大きかったと思います。正直言って1年間置いときたかったんですよ」と、本音を言えばムードメーカーの松田を一軍に同行させ続けたかったという。
しかし、二軍落ちさせた理由として「マッチがまだ野球を続けるということを考えたら二軍で野球している姿を、(結果的に)巨人に決まりましたけど、見せた方がいいんじゃないかなというところもあった」と明かした。現役続行をめざす松田のことを考えるなら二軍降格とし、コンディション調整や他球団へのアピールを目的にプレーさせた方がいいとの思いもあったという。
「俺はずっとベンチにいてほしい。でもこの先、来年、再来年と野球を続けたいんだったら、今一軍のベンチにいてもなかなか出場機会というのは少なくなってきてる。どっちがいいのかな」と悩んだ藤本監督は、松田本人や球団側とも話し合った上で最終的に二軍降格を決断。そのかいもあってか、松田はオフに巨人移籍が決まりキャリア続行となったが、藤本監督は「やりがいがまたあるチームですから。頑張ってほしいですね」とエールを送った。
藤本監督の発言を受け、ネット上には「あの抹消の裏にそんな親心があったとは」、「当時は再調整ってことぐらいしか言ってなかったのに」、「本人だけじゃなく球団側とも話し合って決めたのもすごいわ」といった驚きの声が寄せられた。
藤本監督は9月8日の松田抹消について、同日の報道では「これで終わりじゃない。また二軍の試合に出て状態が上がったら、9月下旬にも代打とかの形で来てもらう可能性もある」と再調整が理由と説明していたことが伝えられていた。ただ、その裏では松田の処遇について熟考していたようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
池田親興氏の公式YouTubeチャンネルより
https://www.youtube.com/@user-yh7ts2rn5s