前日まで「5勝5敗」の御嶽海はこの日、同じく「5勝5敗」の平幕・竜電と対戦。立ち合いはお互いに頭から鋭く突っ込んだが、御嶽海は竜電とぶつかった瞬間に左足を引いて後退。竜電はこれに乗じて、御嶽海の胸を両手で押し込みながら前に出た。
またたく間に土俵際に追い込まれた御嶽海だったが、俵に足をかけて粘るといった抵抗も全く見せないまま土俵外に押し出され敗戦。立ち合いから土俵外に出るまで約1秒というスピード敗戦を喫した。
>>元大関・御嶽海に「八百長よりタチ悪い」貴闘力氏が酷評 豊昇龍戦での無気力相撲を問題視、八角理事長の言葉も響かず?<<
この御嶽海の相撲内容に、ネット上では「電車道で秒殺されるってやる気ないのか」、「勝ちたいという気持ちが全く感じられない」といった呆れ声が上がった。その一方で「やる気というよりはコンディションが問題なのでは」、「昨日右足を気にするような素振りしてたけどそのせいなのか?」、「花道でも痛そうな顔してたし、やっぱり何かアクシデントが発生しているのでは」といった、故障の影響を指摘するコメントも見られた。
「御嶽海は前日10日目の小結・琴ノ若戦で厳しく圧力をかけ押し出しで勝利しましたが、取組後の一礼を行う際に腰を恐る恐る下ろしたり、花道を下がる際に右足のつけ根付近を触りながら険しい表情を浮かべたりといった様子を見せていました。10日目終了後の報道では故障情報は特に伝えられていませんでしたが、11日目の竜電戦での秒殺負けを受け、実は深刻なけがが発生しているのではと心配しているファンは少なくないようです。また、11日目のNHK中継で解説を務めた宮城野親方(元横綱・白鵬)も、竜電戦終了後に『昨日の相撲を見て、ちょっとどこか痛めたなと感じた』と御嶽海について指摘しています」(相撲ライター)
竜電戦後も土俵を降りる際、一瞬立ち止まってから右足を踏み俵(土俵昇降時に足をかけるため、土俵側面に埋めてある俵)にかけていた御嶽海。11日目終了後も故障情報は出ていないが、仮に何らかのけがを抱えているとなると、勝ち越しをかける残り4日間も厳しい戦いをしいられそうだ。
文 / 柴田雅人