前日まで「4勝6敗」の御嶽海はこの日、「9勝1敗」の関脇・豊昇龍と対戦。立ち合いで豊昇龍の当たりを胸で受けた御嶽海は、上体を起こされた隙を突かれ右四つの体勢を許す。十分の形を作った豊昇龍は両腕で御嶽海をグッと引きつけながら前に出た。
ところが、御嶽海は劣勢に追い込まれているにもかかわらず、特に抵抗を見せないまま簡単に寄り切られ敗戦。取組終了後、NHK中継解説・芝田山親方(元横綱・大乃国)は「当たりもなければ、そのまま体起き上がってズルズル下がって土俵を割るという。これはいけませんよね」、「(11日目前時点で)負け越したわけじゃないわけですから、もっと必死になっていかなイカンですよ」と、勝利への気力や執念が見えなかったと御嶽海に苦言を呈した。
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取組時間約5秒で瞬殺された御嶽海に対しては、ネット上からも「なんだ今の御嶽海の相撲は、やる気無さ過ぎだろ」、「本人には申し訳ないが何しに土俵に上がったのか、勝ちたくないのかと言わざるを得ない」、「棒立ちのまま電車道で寄り切られるって…無気力にも程がある」、「先場所まで大関だったのが信じられないくらいの酷すぎる内容」といった批判が寄せられた。
多くのファンを失望させている御嶽海だが、一部からは「半年前から抱えてる右肩故障が響いているのでは」という指摘も上がっている。御嶽海は今回の取組終了後に花道を下がる際、ひじを曲げた状態で少し右腕を上げ視線をやるなど何かを気にするようなそぶりを見せている。これを見て、ファンの間では今年5月場所で平幕・高安を土俵下に転落しながら押し出した際に負傷し、同場所を含め3場所連続で負け越しを喫する一因となった右肩の故障が悪化しているのではという心配も散見される。
大関復帰の条件だった10勝クリアは既に消滅し、勝ち越しにも後がなくなった御嶽海。不振に苦しむ元大関は残り4日間も我慢の相撲をしいられそうだ。
文 / 柴田雅人