現在は4年目の飛躍に向けて、法政大学の先輩でもある三嶋一輝、石田健大らと一緒に神奈川・厚木で自主トレを実施し、朝から恒例の白山での山登りでウォーミングアップ。石川はひとつ上の伊勢大夢に対し「伊勢さんよりは速く登れました」と“イジる”と、伊勢は「いつか越えられるように頑張ってきたいなと思います」とボケるなど、軽妙なトークを展開。その後は球場に移動してキャッチボールやアメリカンノックなど、なかなかハードなトレーニングに勤しみながら、2023年シーズンを見据えている。
メンバーの入れ替わりはあるものの、前出の三嶋、石田、伊勢に加え、抑えの切り札・山崎康晃、昨年中継ぎでブレイクした入江大生、マリーンズに移籍した“進撃の巨人”国吉佑樹など、一軍で結果を残したピッチャーがずらりと並ぶ。
その中で今年を「勝負の年」と位置づけている石川は、昨年からのオフも「休んでいられる立場ではないのでヒマさえあれば走って、ぎりぎりまでは体を動かしていました」とトレーニングを続けながらも「大みそか、元旦は家族を金沢へ旅行に連れて行って、いい年明けだったかなと思います。自分が連れて行くっていうのは初めてだったんで、スゴい喜んでくれました」と親孝行しながらのリフレッシュで心も満たしたようだ。
今シーズンには「一番はけがなく送れること」とプロ入り前から苦しめられている体調面を整えることを重要視しながらも「2月1日からブルペン入ってどんどんアピールしていかなきゃいけないんで、そういった面では後半から立ち投げだったりとしっかりやっていきたい」と、ピッチを上げて春季キャンプに備えていく。
最終目標は「個人的には一軍で1年間戦っていければいいなと思います。チームのリーグ優勝、日本一に、なにか一つでも貢献できればと思っています」とチームの悲願のピースとなることを掲げた。
生まれも育ちも横浜で、横浜高校から法政大学と「野球をやって以来神奈川を離れたことがない」と語る生粋のハマっ子左腕。地元の厚木から4年目のブレイクスルーに向けて覚悟のスタートを切った。
取材・文・写真 / 萩原孝弘