「全メンバー30人を発表できるのは、(2月1日の)キャンプイン直前になると思う」(関係者)
との声も聞かれた。
遅延の理由は? 栗山監督は「投手力で勝ち上がっていくチーム」を理想としているが、そうなると、攻撃陣の人数を削らなければならない。野手を何人まで減らして、ピッチャーに割り当てられるのか…。そのギリギリの調整に時間が掛かるという。
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今回明らかになった投手メンバーだが、オリックス・山本由伸、千葉ロッテ・佐々木朗希、DeNA・今永昇太。そして、メジャーリーガーの大谷翔平、ダルビッシュ有など。2022年シーズンにノーヒットノーランを達成した国内3投手が順調に選ばれたようだが、こんな指摘も聞かれた。
「佐々木は『当確ギリギリ』との見方もありました。代表チームの投手コーチも務める千葉ロッテの吉井理人監督は、佐々木のWBC出場に前向きなコメントを出してきましたが、一方で心配もしていました。今季、過労で何度も先発ローテーションを外れたように、佐々木は体力不足です。WBCに出場したら、来季のペナントレースに影響も出て来そうなので」(前出・関係者)
吉井監督が前向きな発言をすることで、体力不足の不安を払拭させる意図もあったのかもしれないが…。
メンバー入りの正式な発表前に「佐々木当確」を明らかにした狙いだが、それは「調整」にある。
WBC本番だが、侍ジャパンは3月9日、対中国代表との試合が初戦となる。一次ラウンドのプールBには、韓国、オーストラリア、チェコ共和国もいて、上位2チームが決勝ラウンドに進出する。侍ジャパンの1位通過を予想する声は海外にも多く、
「投手には球数制限など登板に制限が設けられます。こう言っては何だが、格下チーム相手にダルビッシュや山本を消耗させたくないはず」
との声も聞かれた。
ダルビッシュ、山本、大谷を温存させるためだろう。佐々木の「WBC開幕投手説」も浮上してきたのだ。
「米国代表は現役メジャーリーガーを揃え、キューバはMLBでプレー中の亡命した選手の代表入りを認める異例措置に出ました。一次ラウンドは佐々木をメインに国内選出の投手たちに任せ、米国代表とぶつかる決勝ラウンドでダルビッシュ、山本らに長いイニングを投げてもらう作戦が予想されています」(プロ野球解説者)
これは米国内の報道だが、ダルビッシュが年末にも関わらず、ブルペン投球を行っていたという。
この「超」の付く早めの調整通りなら、ダルビッシュもWBC開幕投手の候補に挙がってくるだろう。
佐々木、ダルビッシュ、栗山監督はどちらを選択するのだろうか。1月の正式発表前に佐々木の当確を明らかにした理由は、体力不足を補うだけではなさそうだ。(スポーツライター・飯山満)