特に特徴的だったのが、一般人による器物損壊事件。信じられないような行動で公共物を壊すような事件が相次いだ。
7月には、福岡県北九州市小倉北区の商業施設トイレで、18歳の男性高校生が洗浄便座13台の配線を切断し、壊した。また、ハンドドライヤー1台も使用不能にしており、その金額は実に187万円にも及んだ。この高校生は8月にもJR福間駅でも同じ手口で洗浄便座を壊し、逮捕されている。
11月には、新潟県新潟市東区の商業ビルで、25歳の男が備え付けられていた9000円相当の消火器を撒き散らし、階段の床と壁を汚した。その後、防犯カメラを確認したところ、男がビル内のエレベーターなども破損させていたことが判明。器物損壊と建造物損壊の疑いで逮捕された。また、一緒にいた24歳の男は損壊容疑はなかったものの、持ち物検査をしたところ、大麻が発見され、大麻取締法違反で逮捕された。
12月には、愛知県瀬戸市の名鉄瀬戸線・瀬戸市役所前駅で、53歳の男が自動改札機にミルクコーヒーを流し込んで壊すという信じがたい事件が発生した。しかも、男は警察の取り調べに対し「間違えてやってしまいました」と故意性を否定したことも、世間に驚きを与えた。
2020年に中国武漢から世界に広がった新型コロナウイルスの影響が今も色濃い日本。経済が冷え込んでいる上に増税論も浮上し、ストレスの中で物に当たりたくなる気持ちも理解できなくはないが、公共物を壊せば、もれなく逮捕が待っている。